呪力を扱う呪術師たちのバトルを描いた芥見下々氏の『呪術廻戦』と、念能力を扱うハンターたちのバトルを描いた冨樫義博氏の『HUNTER×HUNTER』。いずれも『週刊少年ジャンプ』(集英社)を代表する能力系漫画だ。
人気の高さに加え、オマージュ要素などでも何かと併せて話題にのぼることの多い両作。せっかくなので、キャラ同士の対戦を勝手に妄想してみたいと思う。
■まずは素直に主人公対決…虎杖悠仁VSゴン=フリークス
主人公なのに出番少なくない?……という点でも、どこか似ている虎杖とゴン。互いに人間離れしたフィジカルが持ち味なので、バトルは近接戦メインになるか。
明確な比較基準がないため想像の域を出ないが、勝負は互角かゴン優勢ではないかと考える。何かと過小評価されがちな虎杖だが、「渋谷事変」時点で周囲の術師からの評価は1級術師相当であり、特級呪霊相当の実力を持つ脹相相手にも健闘している。それを考えると実力自体はゴンとトントンな気がするが(個人的にゴンは1級術師の上位クラス相当のイメージ)、経験値や素質の差で、ゴンが押し気味の展開になるのではないか。
この状態で、虎杖には「黒閃」と「逕庭拳」がある。とくに逕庭拳は、直感タイプのゴンには調子をおかしくさせる地味に嫌な技だろうし、隙を生じさせるきっかけとして使えそうだ。加えてゴンの必殺技「ジャジャン拳」には、タメや消耗が大きいという弱点が。これらを上手く利用してカウンターをキメることができれば、虎杖にも勝機は見えてくる。
ただゴンの頑丈さと反射神経を考えると、不発に終わればカウンター返しをもろに食らう可能性が高い。そうなるとチャンスは多くて数回、そこで黒閃を入れられるかどうかにかかっているのではないか。その黒閃が、狙って出せないというギャンブル要素を含むのは、かなりのネックになるだろう。
というわけで妄想上では、圧勝とまでは行かずともゴンの勝利。ちなみに「ゴンさん」だったら虎杖は「ボ」で終わりだろうが、伏黒甚爾となら割と良い勝負をするかも……?
■ハイセンスすぎるゴリラと変態! 東堂葵VSヒソカ=モロウ
続いて、東堂とヒソカの対決を推したい。ともにシンプルゆえに自由度の高い能力を持ち、その特性を十二分に引き出せる格闘センスを誇る二人だ。
1級呪霊相手なら術式を使わず倒す東堂だから、おそらく序盤は近接戦を持ちかけるだろう。もちろんヒソカの戦闘能力もかなり高いが、パワーなら東堂に分がある印象だ。
東堂と同じくガチパワー系のレイザー相手に、ヒソカは指の骨がバキバキになっていた。ドッジボールのように真正面から技を受けることはないとはいえ、クリティカルヒットを食らえば同等のダメージを負うことが予想できる。
東堂の攻撃をかわすため「伸縮自在の愛(バンジーガム)」で、ヒソカは対応するだろう。バンジーガムは強化系のゴンでもちぎれない強度のため、いったん捕まれば東堂だってそう簡単に抜け出せまい。そこで東堂も「不義遊戯(ブギウギ)」を解禁する。
ブギウギの術式対象「一定以上の呪力を持つモノ」に、非術師のヒソカが相当するかどうかは不明だ(一般人でも呪力自体は持っているので、対象になる可能性は十分ありそうだが)。それにより東堂の出方は大きく変わるが、いずれにせよ周囲の物に呪力を込めながら入れ替えをおこない、適時ブラフを張るなどして、ヒソカを翻弄することはできると予想できる。
そんな東堂の弱点は、手を叩けなければ術式を発動できないこと。ヒソカの性格上、しばらくは東堂の土俵で勝負を楽しみつつ、飽きてきたら手を潰す戦略に切り替えるのではないか。これにより手を狙うと見せかけて急所を突くというブラフも作りやすく、勝負は一進一退の息つく間もない攻防戦にもつれこむ……。
勝敗をつけるのは悩ましいが、妄想上では東堂の勝利。攻撃力自体は十分でも決定打に欠けるヒソカに対し、東堂は黒閃を狙って出せるというのが大きなアドバンテージになるのでは……などと言いつつ、“ヒソカも好きだけど、東堂が負ける姿は見たくない!”という個人的な願望を多分に含んでいるのだが。