2024年で39回目となる「サンリオキャラクター大賞」が開催中だ。450を超えるサンリオキャラクターの中から、毎年精鋭のキャラがエントリーし、ウェブやサンリオショップなどでの投票により順位が決定される一大イベントで、今年の投票期間は4月11日から5月26日までだ。
2023年は、1位シナモロール、2位ポムポムプリン、3位クロミという結果で、この3キャラが2年連続でトップ3を独占してきた。
4月16日には、4月11日から4月14日までの投票結果を反映した「初回速報」が発表されており、そこでは1位ポチャッコ、2位シナモロール、3位ポムポムプリンという順位となっていた。
さて、これまでかわいくて個性豊かなキャラを多数生みだしてきたサンリオだが、過去には一度見たら忘れられないような強烈さを持つ変わったキャラも少なくない。今回は、「サンリオらしくない?」変わったキャラたちを紹介したい。
■名前からインパクト抜群な「歯ぐるまんすたいる」設定も大人向けな「アグレッシブ烈子」
まずは、2015年に登場した「歯ぐるまんすたいる」。公式プロフィールには「社会の歯ぐるまたち、ひとりひとりの口の中で勤務し、デンタルケアならぬ『メンタルケア』を仕事としている。歯をくいしばってがんばっている時に現れ、歯がゆい思いを代弁し応援するよ!」と書かれており、生活に寄り添ってくれるイメージがある。しかし、その見た目はリアルな歯そのもので、しかも口はあるのに目はなく、歯根が足になっている。
キャラクターには出っ歯、八重歯、金歯など見た目と性格もさまざまあり、口内会議をしているデスクはどう考えても人間の歯茎。
ひと目見ただけではつい「気持ち悪い」と思ってしまうのだが、Xでは「正念歯だ〜〜〜〜〜っ!!」「歯っぴ〜ほりで〜ず!」など、「歯」にかけた前向きな投稿が多く、社会の歯ぐるまたちに全力で寄り添ってくれている。つい毎日仕事前にチェックしたくなってしまうクセになるキャラだ。
続いては「アグレッシブ烈子」。会社の制服を着たレッサーパンダのキャラで、公式プロフィールには「キャラリーマン商事株式会社の経理部で働くレッサーパンダ。憧れの商社で華の丸の内OL生活と思いきや、現実は無茶な仕事を押し付けてくる上司や自分勝手な同僚に振り回される毎日。言い返せないが怒りがたまると我慢できず、一人カラオケでデスメタルを歌ってストレスを発散するのだ」と記載されている。
とてもファンシーキャラクターの紹介とは思えない、そのあたりに普通にいそうな、もしくは22時台にやっていそうなドラマの主人公のOLのような紹介文である。
烈子の他にもさまざまな動物のキャラがおり、「女はみんな腰掛けなんだからお茶汲みしてればいいと思っている古い考えのトン部長」、「おじさん構文を使い、スケジュール管理はずさんなくせに定時退社はきっちり守るヤギュウ課長」、「仕事をしているように見せて実はSNSをずっとチェックしており、こびる必要がないと判断した人にたいしては上から見下す安達さん」など、誰も彼も「いるいる」と感じる、社会の縮図のようななんともビターなキャラクターたちだ。かわいいキャラを見ているはずなのに、どうしても仕事のことばかり思い出してしまう人も多いかもしれない。
烈子のもう一つの特徴といえば、仕事のストレスがたまるとデスメタルを歌うところ。普段のかわいらしい顔を一変させ、デスメタルのメイクで白目を剥いて絶叫しながら暴言を吐く。その様子は日本以上に海外で高い人気を集めている。
なお「アグレッシブ烈子」はNetflixでアニメ化もされているので、仕事が疲れた日にはぜひ一度観てほしいものだ。
「歯ぐるまんすたいる」と「アグレッシブ烈子」はどちらも2015年に誕生しており、明らかに子ども向けではなく、毎日ストレスを抱えながらもがんばって働く大人向けのキャラクターといえる。