アニメ『稽古編』放送開始まもなく!『鬼滅の刃』夜に活躍する鬼とは対照的…これまでの戦いで心に刺さった「朝日」の名シーンの画像
『鬼滅の刃 柱稽古編』(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 社会現象にもなったアニメ『鬼滅の刃』の新シリーズで、第4期となるアニメ『鬼滅の刃 柱稽古編』が5月12日午後11時15分よりフジテレビ系で放送開始予定だ。それにさきがけて、フジテレビでは5月4日と5日の2夜に渡って『特別編集版「鬼滅の刃」刀鍛冶の里 敵襲編』と『特別編集版「鬼滅の刃」刀鍛冶の里 繋いだ絆編』を放送。アニメ新シリーズの放送に、ファンの期待は高まるばかりだ。

 2016年から2020年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載された吾峠呼世晴さんによる漫画を原作とした同アニメ。新たに放送される『柱稽古編』は、柱たちとの修行が主なエピソードとなるが、ここに至るまでには鬼と主人公・竈門炭治郎たちとのさまざまな戦いがあった。

 手に汗握る大迫力のバトルシーンに、炭治郎の頑張りや悲しみでこちらの心まで締めつけられるようなシーン、そして、憎い相手のはずが最後には同情すらしてしまうような鬼たちのエピソードが語られるのが同作の大きな魅力だろう。

 敵となる鬼は太陽の光で消滅してしまう特性を持っているため、主な戦場は夜中となる。人間にとって圧倒的に不利な状況に耐え抜き、過酷な戦いを終えた後には、まるで彼らの健闘をあたたかく讃えるように、「朝日」の昇るシーンが必ずといっていいほど印象的に描かれる。

 今回は、『柱稽古編』の放送に備えて、これまでのアニメ『鬼滅の刃』の中で描かれた、印象的な「朝日の昇るシーン」を振り返りたい。

■煉獄が戦い抜いて迎えた朝

 まずは、全世界で約517億円という歴史的興行収入を記録し、日本の映画の興行収入が歴代1位の記録を更新したことでも大きな話題となった『劇場版 無限列車編』。

 物語の前半は炭治郎らと下弦の壱・魘夢との戦いが描かれ、後半は炎柱の煉獄杏寿郎と上弦の参・猗窩座との戦いがメインとなる。

 猗窩座に苦戦を強いられ、鬼になるように何度も勧誘されるも、最後まで乗客200人全員の命を守り抜いた煉獄。しかしもう少しで夜が明けるというところで猗窩座は逃亡してしまう。残ったのは、最後まで誇り高く戦い、致命傷を負った煉獄。彼は血だらけになってなお、炭治郎に「心を燃やせ」という言葉と遺言を残した。

 煉獄の話の間も、徐々に周りは明るくなっていく。あともう少し朝になるのが早ければ、戦いの結末は変わっていたかもしれない。

 煉獄が静かに目を閉じ生を終えた後、太陽が完全に昇り、静寂が訪れる。そして、煉獄の遺体を前にどのように悲しみを受け取めればいいかわからず泣き続ける炭治郎、善逸、伊之助。煉獄の死を伝えるために空高く飛び立った鎹鴉も涙を流していた。

 太陽の光で明るくなってようやく映し出される戦場の悲惨な全貌は、彼が最後まで誇り高く戦い抜いた証のようだった。

■エンディング曲でも印象的に描かれた朝

 次はアニメ本編ではないが、Aimerさんが歌う『朝が来る』が使用された『遊郭編』のエンディング。これも、「朝日」がテーマとなった印象的な映像だった。

『遊郭編』は、遊郭に出るという鬼を炭治郎らと音柱・宇髄天元が調査に行き、上弦の陸・堕姫と妓夫太郎と戦うというストーリー。このエンディング映像の中では華やかな反物が立体的に街を彩り、にぎやかな昼の遊郭の映像が映し出される。最後には朝日が遊郭を照らして日が昇り、屋根の上にいた宇髄がその光を見てゆっくりと立ち上がるというものだ。

 そのシーンの直前には宇髄の暗い過去を想起させるシーンがあり、彼が夜通しひとりきりで物思いに耽っていたことを思わせる演出だ。

 短い時間ながら、普段明るい性格の宇髄の思いを感じられる貴重な映像となっている。そして、曲の最後に映し出されるグラデーションの空と街の遠景は、まるで実写のように美しいリアルさがあった。

  1. 1
  2. 2