■「おしおき」でバターにされたキャラも…!?
ゲーム原作でアニメにもなっている『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』にも、キャラクターが食べ物に変えられる表現がある。同作はモノクマによって「コロシアイ学園生活」を強いられたキャラたちが、事件が起こるたびに犯人を探すために学級裁判を開くというのが目玉で、コミカルでポップな表現の裏に残虐さを感じるシーンも多い作品だ。
学級裁判で犯人が当てられるとそのキャラは「おしおき(処刑)」され死亡する。中でも「超高校級の暴走族」である大和田紋土のオシオキの恐ろしさは一線を画していた。
それはバイクに乗せられ、サーカスのオートバイショーで使うような球体の中を高速回転させられるというもの。大和田はあまりの回転数にそのまま体が溶けてバターになってしまったことが示唆される。元ネタは児童向け文学「ちびくろサンボ」であろう。これはトラたちがサンボという男の子から奪った服などで着飾り「自分が一番立派」だと言い争って木の周囲をグルグル回っているうちにバターになってしまったという内容だ。
文章だけだとあまり怖くないが、元ネタを知っていれば意味のわかる皮肉のきいた「おしおき」は、『ダンガンロンパ』シリーズの中でもかなりのトラウマものとなった。
このほか、尾田栄一郎さんによる『ONE PIECE』のシャーロット・ペロスペローの「ペロペロの実」の能力も恐ろしいものだ。これは直接相手を食べ物にするわけではないが、キャンディで標的の全身を覆い尽くして体内へと侵入させ、呼吸を奪ってじわじわと確実に標的を殺害するという残忍なものだ。
相手を食べ物に変える、というトリッキーさで気付きにくいが、どれも残忍極まりない攻撃ばかり。コミカルな表現の奥に、実は怖さが潜んでいるのだ。