漫画やアニメによるコミカルな表現だからこそ現実味がなく怖くはないが、実際にその場の様子を想像すると実はとんでもなく恐ろしいシーンというものはいくつもあるだろう。その代表格が「相手を食べ物にする能力・攻撃」ではないだろうか。
リアリティのない攻撃だからこそ、漫画でいざ敵が能力を発動してもサラッと読み進められてしまう。しかし食べ物に変えられたその後、他人に捕食されたり体を粉々に破壊されたりするさまを見ると、『進撃の巨人』で人間がなす術もなく巨人に捕食されたときにも似た絶望感を味わうものだ。
今回は、絵柄が絵柄だから怖くないが冷静に考えると残酷すぎる、「相手を食べ物にする」能力を持つキャラクターを振り返りたい。
■元は残虐超人だったラーメンマン
「相手を食べ物にする」能力の元祖といえるのが、ゆでたまごによる『キン肉マン』に登場するラーメンマンだろう。世界三大残虐超人の1人として初登場した彼は、アニメ版では第20回超人オリンピックの1回戦でブロッケンマンの背骨をねじって折り、折りたたんで綿棒で伸ばした後に何度も肉体を手で伸ばして手延べ麺にしてしまった。面影すらない姿はなかなかのトラウマものである。
漫画版ではブロッケンマンはラーメンマンに胴体を真っ二つにちぎられて死亡していたが、どちらのほうがグロテスクかは判断の分かれるところだ。
続いては鳥山明さんによる『ドラゴンボール』の魔人ブウ。魔人ブウは、頭部の触角から発する光線に当たったものをお菓子や食べ物に変えてしまう。
お菓子や食べ物に姿が変わっているので表現はマイルドになるが、そのまま魔人ブウに食べられてしまうさまはまさに地獄絵図。チチが卵にされたうえで潰されて殺されたのは読者にとってかなりショッキングであり、その後亀仙人やヤムチャ、クリリンなどのメインキャラもチョコにされ食べられてしまった。
ちなみに『ドラゴンボール』にはこのほかにも、初期に登場した悪役「ウサギ団」のボス・兎人参化(と・にんじんか)がいる。ウサギの見た目の彼は身体に触った相手をニンジンにしてしまう特殊能力を持っており、作中ではブルマが小さめのニンジンに変えられ人質にされてしまう場面があった。ニンジンになったら自分の意思で動けず、その間の記憶もないというのはなかなかに怖い。