■やったことは残忍だが一応ケンシロウの足止めには成功した「ヒルカ」
最後は、山のフドウを危機一髪の状態まで追い込んだヒルカだ。フドウやケンシロウを止めるためにヒルカは軍を率いて対峙するのだが、このまま戦っても勝ち目はない。ケンシロウだけでなく、フドウも拳法の達人だからだ。しかも、若いころにラオウが唯一恐怖を感じた存在でもある。
まともに戦ったら全滅必至。だが、ここでヒルカの悪知恵が働く。孤児たちを育てるフドウの前で、砂地獄のような流砂にさらってきた2人の子どもを投げ入れるのだ。
もちろん、フドウは飛び込んで助けに入るが、その背中を目がけてヒルカが部下に矢を放たせる。幼い子どもを利用するなど、やり方が汚い。とんでもない卑劣さだ。
その後、ケンシロウによってフドウも子どもたちも助けられ、ヒルカはあっけなくやられて死んでしまうの。とはいえ、実はヒルカも功績を残していた。
ここで足止めされたことでケンシロウは時間を取られてしまい、ユリアの元へ駆けつけたのがラオウとほぼ同時となってしまうのだ。雲のジュウザが命を懸けてリードしたはずなのに、ヒルカの策略によって台無しになったようなもの。これにはジュウザも浮かばれない……。
それにしても、このヒルカもラオウの好きそうなタイプには見えない。リュウガに抹殺されていてもおかしくないだろうに。
さて、ここで紹介した3名は、なぜ拳王が指揮官に抜擢したのかよく分からないキャラばかり。いや、ハッキリと自分から部下にしているシーンはないので、実は拳王軍には人事部長なる者がいたのかもしれない。
まあ、拳王とは恐怖で統治を図るほどなのだ……。いちいち細かいことに気を遣っていては、前へ進めないのだろう。