■暗闇で平次と和葉の意味深な会話

 続いては、西の高校生探偵・服部平次と遠山和葉の幼なじみコンビ。アニメ323話の「服部平次絶体絶命!」での“暗闇でのドキドキシーン”だ。

 この回では、のっけから平次と和葉の2人が何をやっているのか分からないようなシルエットで映し出される。

 平次の「こ、ここか、和葉」という声に対して、和葉は息を荒げながら「そこちゃうて平次…もっと左や…」と応える。和葉の肩はあらわになっており、痛がる和葉の声が聞こえたりもして、ついつい“想像”してしまう場面だった。

 実は2人は犯人に拉致されていて、このシーンでは安全ピンを使ってなんとか手錠を開けようとしていただけ。ちなみに和葉は裸ではなく、チューブトップタイプの服をちゃんと着用していた。だが、年頃の男女が暗闇にいることで、ドキドキしてしまった人も多いのではないだろうか。

 ちなみに38巻に収録されている漫画のほうでは、冒頭のシーンがもっと意味深に見えるようになっている。これはさすがに作者も積極的に読者の誤解を誘ったようだ。

■大人の会話の「マティーニでも作らない?」

 最後は、黒の組織のメンバー間で交わされた大人の会話。組織の中核を担う存在である美女のベルモットは、コミックス29巻『見えない恐怖』にて、ジンの肩に手を置き、「どう? 今夜…久し振りにマティーニでも作らない?」と誘いかけている。

「マティーニ」とは、蒸留酒の「ジン」と果実酒の「ベルモット」を混ぜたカクテルだが、「今夜」となるとつい妄想が進んでしまう。また、「久し振りに」という発言から、これが今回が初めてではないこともわかり、さらに意味深となる。

 ちなみにアニメでは230話がこの回に該当するが、このセリフは存在しない。代わりにベルモットが「例の逃げ出した子猫ちゃん、見つかったの?」と灰原哀について聞いている。さすがに“匂わせ”がストレートすぎたのだろうか。

 実際には、どれも「大人っぽいシーン」が描写されたわけではないのでご安心を。こんな遊び心が、『名探偵コナン』が大人にも人気の理由なのかもしれない。

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