■『ルパン三世』次元大介
最後は『ルパン三世』の次元大介のエピソードを紹介したい。次元の神業が披露されたのは「ターゲットは555M」だ。
この回でルパン一味はオークションのダイヤモンドを狙っていたが、そのためには硬質ガラスで覆われた展望室に侵入しなくてはならない。しかもその天井や床には電流が流れている。そのため、次元は外からガラスに穴を空けてワイヤーを付けたライフル弾を室内に着弾させ、電流に触れずにすむ道を作ろうとした。
しかし、超硬質なガラスをそんな簡単に破ることなどできない。次元が用意していた銃弾は3ダースほどあったが、そのほとんどを打ち尽くしてようやく穴を空けられた。
これは先ほど紹介したゴルゴのエピソードに匹敵する、難易度マックスの任務だろう。距離は555メートルと、ゴルゴよりは短いかもしれないが、大量の銃弾を連続して同じ場所に当てているのだ。
しかも連射ではなく少しずつ少しずつといった様子なので、毎回風の動きを読まなくてはいけない。かなり神経をすり減らす作業だ……。そんな状況でも楽しそうにやっているのが次元なので、銃に愛されているのもよくわかる。
今回紹介したワンホールショットを成功させたキャラは、あらゆる局面を乗り越えられるキャラばかり。射撃の速さや正確さだけではなく、困難な環境に適応できるからこそ不可能を可能にしているといえる。