■“亡霊”の名を持つザク、レイ・ザ・バレル専用ザクファントム
最後は『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場したレイ・ザ・バレルのザクファントム。
搭乗者であるレイ・ザ・バレルは、ザフト軍の新鋭戦艦ミネルバに所属するエリート赤服モビルスーツパイロット。彼が乗る型式ZGMF-1001/Mは、“ファントム(亡霊)”の名が付いたザクウォーリアの上位機種。基本性能はザクウォーリアと同じなのだが、両肩のシールドと頭部に通信・指揮機能の強化を図る隊長機特有のブレードアンテナがある。
また、レイのザクファントムは彼のパーソナルカラーである白色にカラーリングされ、劇中では機動性や火力の高い”ブレイズウィザード”を好んで使用した。ちなみに同機のザクファントムを、ディアッカ・エルスマンはグレー、ハイネ・ヴェステンフルスはオレンジにそれぞれ専用カラーリングしていた。
レイはアル・ダ・フラガのクローンで、存在を同じくするネオ・ロアノーク(ムウ・ラ・フラガ)とは互いを感知し合い、劇中では度々レイの白いザクファントムとネオのMAエグザスが戦闘を繰り広げていた。
オーブ侵攻戦、レイのザクファントムはミネルバの甲板に張り付き応戦していたが、オーブ軍の可変MSムラサメの特攻とも言える激しい攻撃により中破する。それ以降レイは新たに配備されたレジェンドガンダムに搭乗するため、残念ながら白いザクファントムはそのまま修理されることなくお役御免となっていた。
今回は、敵側のエース級が搭乗する「白いモビルスーツ」たちを紹介してきた。戦場で認識されやすかったりダメージが目立ったりと、合理的に考えると白色は戦場には似つかわしくないカラーリングなのかなとも思える。
しかし、今回紹介したモビルスーツたちは、そんな杞憂など凌駕する活躍を見せていた。いずれの機体も悲運な最期を遂げているのだが、それもまたモビルスーツの兵器として当然の姿であり、魅力の一つともいえるのではないだろうか。