■水陸両用MSと言えばコレ!ジムを一突きにするパワー
『ガンダム』シリーズでは、水中戦も鉄板のシーン。とりわけ敵勢力の水中型MSといえば、ユニークなデザインが多く、ファンも多い。そんな水陸両用MS人気の火付け役と言えるのが、『機動戦士ガンダム』に登場した「ズゴック」だ。
ずんぐりとした見た目とアンバランスな腕部の大きさで、兵器でありながら「かわいい」という声もあるほど人気のズゴック。実際は、ガンタンクの砲撃に耐えるほどの装甲を有していたり、MSをあっさりと貫くアイアン・ネイルを装備していたりと機体性能は高い。特に、アイアン・ネイルは完全な物理兵器。ビーム兵器でもなければ、ザクが装備するヒートホークのような熱式でもない。ビーム兵器も熱式の兵器も水中では威力が半減するため、アイアン・ネイルのような完全物理に極振りした近接兵器が採用されたと考えられる。
さらに、丸みを帯びた独特のフォルムは、水中航行における水の抵抗を考慮したものだろう。作中でも頭から突進するようなスタイルで、水中を進軍する様子が描かれた。また、頭部には240mmロケット弾を装備しており、水上に頭部を現して対空攻撃を可能とする。最小限の動作で攻撃でき、作中でもホワイトベースの底面を攻撃するなど連邦軍を追い詰めていた。
作中の活躍でいえば、やはりシャア専用ズゴックが印象深い。その機動性とアイアン・ネイルを武器に、ジムを一突きにするシーンはあまりにも有名だ。さらに数話にわたって登場するなど、ほかの水陸両用MSと比べて活躍の機会は多く、名機であることがわかる。
なお、ズゴックは『機動戦士ガンダムZZ』で骨董品扱いされており、主人公ジュドー・アーシタが一時的に搭乗する。アッガイに乗ったハマーン・カーンとの戦いが描かれているため、ファン必見の名シーンと言える。
基本的にガンダムタイプのMSは高い汎用性がウリ。そのため、敵陣営はなにかに特化したMSで挑むことも多い。そういう意味では、局地専用MSは環境特化型のMSと言える。
今回紹介した以外にも、宇宙専用のMSや空中専用のMSもあり、いずれも一筋縄ではいかない強敵揃い。主人公を「あと一歩」というところまで追い詰めるシーンも多いため、その渋さ・強さにあらためて注目してもおもしろそうだ。