■『バキ』ドイル

 板垣恵介氏による『バキ』(秋田書店)にも体の中に武器を仕込んでいるキャラがいる。それが死刑囚のドイルで、肉体改造を施して肉体を武器化しているのだ。

 彼の肘や膝には鋭利な刃物が隠されているので、肘打ちなどを食らっただけでも致命傷になってしまう。キックボクサーのロビンソンに路上で喧嘩を売ったときには、喉を切り裂いてあっさりと勝利していた。

 ドイルは体内に武器を仕込んでいるが、服の上にも武器の装飾をしている。襟には掴まれてもいいようにカミソリが取り付けられ、胸には爆薬がセットされている。そのため、相手は不用意に近づこうものなら、確実に致命傷を負ってしまう……。

 鎬昂昇がドイルに戦いを挑んだ際は、ドイルは一方的に殴られたすえに昂昇に向かって爆薬に着火して吹き飛ばしていた。暗器はともかく爆薬までは予測不能だったので、昂昇は重傷を負ってしまう。どんな手を使っても勝てばいい、そんな意思の現れでもあるが、重火器はちょっと違う気が……。

 しかし、そんなドイルの武器をことごとく打ち崩したのが、「わたしは一向にかまわんッッ」というセリフでおなじみの烈海王。彼はドイルの卑怯な攻撃のすべてを受け入れたうえで圧倒してみせたのだ。あらゆる武器に対抗できるあたり、中国四千年の歴史は伊達じゃないと思った。

■『NARUTO-ナルト-』君麻呂

 最後は岸本斉史氏による『NARUTO-ナルト-』(集英社)に登場する君麻呂だ。君麻呂は大蛇丸の部下のひとりで、かぐや一族でもある。そのため、特別な能力でもある血継限界「屍骨脈」を使ってナルトたちを追い詰めた。

 この能力は自らの骨を武器化するというもの……。肉体から骨が飛び出すので、見ているだけでどこか痛々しく、最初に紹介した尸良と同じような戦い方にも思える。しかし、君麻呂の骨は自由自在に形成できるので、かなり便利といえる。

 ロック・リーと我愛羅との戦いでは、肋骨、脊柱、指先の骨などを利用して、攻守ともに圧倒していた。骨をいろんな形状に変える戦い方は斬新で、武器が尽きる心配もないのでかなり便利だろう。
 それでも骨を取り出すシーンに慣れることはないので、王道の戦いと呼べるものではない……。

 

 体の中に武器を隠しているキャラは、セオリーが通用せず戦い方も独特……。だからこそ、意外性という点で他のキャラに勝っている。そんな武器をどうやって攻略するのかも見どころのひとつだ。

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