■『花ざかりの君たちへ』ドラマでは今をときめく俳優たちが勢揃い
2000年代に実写ドラマ化された『花とゆめ』作品では、中条比紗也さんの漫画『花ざかりの君たちへ』も外せない。
1996年から2004年にかけて『花とゆめ』で連載された同作は、主人公の芦屋瑞稀が、憧れの走高跳選手である佐野泉に会うために、アメリカから性別を偽って私立の男子高校に転入してくる物語。見事、男子生徒に紛れ込んだ瑞稀が、佐野と寮でも同室になって生活をするというあらすじだ。
2007年には『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』のタイトルで、フジテレビ系でドラマ化。堀北真希さんが瑞稀を演じ、佐野泉役に小栗旬さん、中津秀一役に生田斗真さんらが出演。その他、水嶋ヒロさんに岡田将生さん、鈴木亮平さんなども出演しており、ここから多くの人気俳優が誕生した。ドラマでは原作漫画よりも個性豊かなイケメンキャラたちが目立つように演出されており、見るだけで目が幸せになるようなコメディ展開になっていた。
また、ドラマの好評を受けて、2011年にも『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』としてキャスト一新で再ドラマ化。同作では瑞稀役の前田敦子さんを中心に、中村蒼さん、三浦翔平さん、桐山漣さんらが出演した。
実は『花とゆめ』にはOVA作品も多い。1990年代から2000年代にかけて『スケバン刑事』『ここはグリーン・ウッド』『ぼくの地球を守って』『天使禁猟区』など、様々なジャンルの作品が映像化されている。恋愛メインの作品ばかりではないところが『花とゆめ』らしさのようだ。
現在では、さらに多様なジャンルの作品が連載されている『花とゆめ』。長い歴史の中で共通する誌面の魅力は、恋愛漫画であっても、人間ドラマが丁寧に描かれていることだろう。