徳弘正也氏の名作『ジャングルの王者ターちゃん』は、下ネタのオンパレードで爆笑させられたものだが、その中には胸が熱くなる感動のシーンも含まれている。逆に感動シーンの合間にギャグを入れているので、笑い泣きしてしまうことも多かった。
どちらかというと長編が多くなった『新ジャングルの王者ターちゃん』のほうが、泣けるシーンが多かったように思う。そこで今回は、ターちゃんに登場する今も心に残る泣けた神回を振り返ってみよう。
■アナベベの男気とターちゃんの涙で語るシーンに泣けた「中国編」
まずは中国編のアナベベとのエピソードだ。金持ちになって闘争心が消えていたアナベベは、西派トーナメントで嫌気が差して途中離脱してしまう。しかし、ターちゃんが暗殺者のターゲットになっていることを知ると、スカウトしにきた男に「友達ってやつはな 金じゃ買えねえんだよ!!」と大激怒する。
これは心に響いた。まさに名言で、この後アナベベはターちゃんの元へ駆けつけていくからカッコよかった。もしウポポ語で怒っていたら……どんな言葉が出てきたのかちょっと興味ある。
そして、最終決戦で勝利したターちゃんの言葉。そこには試合に勝利した喜びもなく、この試合に参加したことを後悔していると語りだす。ライオンも他の動物を襲うが、それはあくまでも家族の生活のためで必要以上の殺傷はしない。しかし、人間は権利欲のために他人を巻き添えにして殺し、自分や仲間たちも含めてここに集まったすべての人たちに少しずつ責任があるという。
最後に「ちくしょう おれは頭が悪いので こ これ以上 説明できないのだ」と涙を流したターちゃん。このシーンはグッときたものだった。
■ターちゃんのピンチに亡くなった動物たちが駆け付けるシーンに号泣した「クローン編」
ターちゃんのクローンと戦うクローン編でも感動シーンが多かった。まずはターちゃんとペドロの師弟対決。もちろん実力はターちゃんが圧倒的なのだが、ペドロのパンチがかすると、ターちゃんの「ナイスパンチ」にペドロが感極まって涙を流してしまう。その一瞬の隙をついてターちゃんが勝利するのだが、ペドロは泣きながら失神していた。
このトーナメントではアイアンマスクの強さにさすがのターちゃんも苦戦することがあった。だが、ターちゃんのピンチのときにアイアンマスクが何かに吹き飛ばされる。
これはターちゃんに命を救われて天寿を全うした動物たちが、ターちゃんを守るために天国から駆け付けたという。一般人には見えないみたいだとアナベベは解説していた。ハンターから襲われた動物たちをいつも命がけで守ってきたのはターちゃん。だからこそ、彼らは死してもなおターちゃんを守っていたのだ。
これには泣けた……涙腺崩壊しそうになったのだが、その一方でアナベベ以外にも見えていたエテ吉とライオンが、ガタガタ震えながら数珠を手に成仏してくれと念仏を唱えていたから笑ってしまう。