4月1日に読みたい…完全に騙された!『ドラえもん』のエイプリルフール回3選 「帰ってきたドラえもん」感動のエピソードもの画像
てんとう虫コミックス『ドラえもん』(小学館)第1巻

 本日4月1日といえば、“嘘をついていい日”とされる「エイプリルフール」である。エイプリルフールに関するネタは多くのギャグ漫画などで登場するが、なんといっても毎年騙されているのが藤子・F・不二雄さんの作品『ドラえもん』の「のび太」だろう。

 お人よしののび太は本来の性格ゆえか、エイプリルフールと分かっていてもすぐに騙されてしまう。その悔しさからドラえもんのひみつ道具を使って相手を騙すケースもあるのだが、最後はやっぱりのび太が参ってしまう展開が多い。今回はそんなちょっと悲しくも面白い『ドラえもん』のエイプリルフール回を紹介する。

■装着して喋るだけですべてがリアルになる「うそつ機」

 まずはてんとう虫コミックス3巻に登場する、まさにエイプリルフールに相応しい道具を紹介したい。

 エイプリルフールでジャイアンを騙すことに成功したのび太だが、その後ジャイアンに“今日は2日だ”と逆に騙され、ボコボコにされてしまう。スネ夫やしずかちゃんにまで騙されたのび太は悔しくてドラえもんに相談する。

 そこで登場したのが、鳥のくちばしのようなひみつ道具「うそつ機」だ。これを口に装着して嘘を話すと、どんなにでたらめでも相手は信じてしまう。

 のび太はさっそく“勉強をしなさい”というママに対し、「ママはわたしです。あなたは、のびちゃんじゃないの」と嘘をつき、ママに勉強をさせる。

 その後もスネ夫に“お前の家が火事だ”と言って慌てさせたり、ジャイアンの犬に“お前は人間だ”と言ってジャイアンを引きずって散歩させたり。あげくの果てに「火星人がせめてきたぞう」と叫び、町の人々をパニックに陥れるのであった。

 さすがにやりすぎて面白味を感じなくなったのび太は、うそつ機を外して家に帰る。しかしそこには「なんでぼくがごはんをつくるんだよ」といって勉強を続けるママの姿が……。

 うそつ機でついた嘘はなかなか解けないといったオチで終了するこのエピソード。一度嘘をついたら何らかのしっぺ返しが来る、という教訓も含まれているような回だった。

■感動的なエイプリルフール回「帰ってきたドラえもん」

「帰ってきたドラえもん」のエピソードは、てんとう虫コミックス6巻「さようなら、ドラえもん」と、7巻「帰ってきたドラえもん」の2つのエピソードを繋げて作られた作品だ。

 急に未来に帰ってしまうことになったドラえもん。一人残され寂しい毎日を送っていたのび太だが、そんな時スネ夫から“ツチノコがいる”と騙され、野犬から追い回されてしまう。その後ジャイアンからも“ドラえもんに会った”と嘘をつかれ、のび太は狂喜乱舞するものの、それはエイプリルフールの嘘であった。

 家に帰り一人泣くのび太だったが、“僕がいなくなったあとでがまんできないことがあったらこれを使え”とドラえもんが残した「ウソ800」を飲む。これを飲んでしゃべると、しゃべったことが全部嘘になると知ったのび太は、スネ夫やジャイアンに見事反撃をする。

 一度は胸がスッキリしたのび太だが、ドラえもんがいない現実に落ち込み、「ドラえもんは帰ってこないんだから。もう、二度とあえないんだから。」とつぶやく。するとその直後、ドラえもんの姿が!
「ウソ800」を飲んで“ドラえもんに会えない”と口にしたことが嘘になり、ドラえもんは帰って来られたのだ。

 その後、嬉し涙を流しながら「うれしくない。これからまた、ずうっとドラえもんといっしょにくらさない」というのび太のセリフも印象的だ。

 泣けるエピソードとしても有名なこの回。2014年に公開された映画『STAND BY ME ドラえもん』でも、多くの人の涙を誘った。

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