■「奥さんに刺さったその杭、どうなるかわかります?」
最後に第7話より、陽一が浮気相手の三島結衣花から言われたセリフを紹介する。
陽一はみちとのレス問題を抱えながらも、同じカフェで働く結衣花と一度浮気をしている。罪悪感から陽一はみちにそのことを告白するも、当然みちは傷つき激怒する。
結衣花にそれを告げたところ、彼女はタオルを投げつけて陽一に激高。そして「言えなくて苦しかったですか? 言えてすっきりしました? 自分の心に刺さってた杭抜いて、代わりにそれ奥さんに刺しただけでしょ?」「奥さんに刺さったその杭、どうなるかわかります? 今度はそれ、不倫相手の女に突き刺すんですよ」と、女性目線での不倫の代償を力説する。実は結衣花は過去にも不倫をしており、その男性の妻から慰謝料を請求されていたのだった。
不倫は当然悪いことだ。しかし自分の罪悪感を軽くしようと、みちに過ちを話してしまう陽一はなんとも幼い。また結衣花が言うように、不倫をされた妻はその怒りの矛先を夫ではなく、不倫相手の女性にぶつけるケースも多いだろう。
不倫をする人の常套句として「バレなければ問題はない」というものがある。しかしやはり不倫はバレてもバレなくても必ず誰かを傷つける行為であり、そして誰一人幸せになれないということをあらためて知らしめたセリフだろう。
今回紹介した『あなたがしてくれなくても』のセリフには「これまで口にできなかったことを言ってくれた」「自分のモヤモヤを代弁してくれた」など、SNSでも多くのコメントがあがっている。
なかなか他人には相談しにくい“レス問題”を描いた作品とあって、心に響いた視聴者も多かったようだ。現在パートナーとの関係で悩んでいる人は、何かしらヒントをもらえたかもしれない。
さて、ドラマでは完結を迎えた『あなたがしてくれなくても』だが、原作は今も絶賛連載中だ。この記事を通じて本作が気になった方は、ぜひ手に取って読んでみてほしい。