春の選抜高校野球にプロ野球も開幕!『キャプテン』谷口タカオに『名門!第三野球部』檜あすなろも…ひたむきな努力で“下手から這い上がった”学生野球漫画の主人公たちの画像
週刊少年マガジンコミックス『名門!第三野球部』第1巻(講談社)

 3月18日から始まった春の選抜高校野球。今年は1924年の第1回大会から100年を迎える記念すべき年でもあり、連日賑わいを見せている。また、プロ野球も本日3月29日から開幕となるので、野球ファンにはたまらないシーズンが到来だ。

 さて、高校野球といえば、昔ながらの汗や努力がテーマとなった漫画が多かった。少年野球時代、補欠だった筆者にとって、最初は下手ながらもひたむきな努力で這い上がっていくキャラの姿はカッコ良く、共感したものだった。

 そこで、泥臭いけど懸命な努力をしてレギュラーになった、懐かしい学生野球漫画の主人公を振り返ってみよう。

■影の努力でキャプテンの座をつかんだ『キャプテン』谷口タカオ

 まずは、1972年から『別冊少年ジャンプ』(後に『月刊少年ジャンプ』)で連載されていた、王道の学生野球漫画『キャプテン』(ちばあきおさん)の谷口タカオだ。

 中学野球の名門・青葉学院から墨谷第二中学校に転校し、野球部に入るのだが、持っていたユニフォームが青葉学院のものだったため、周囲は勝手にレギュラー選手がやって来たと勘違いをしてしまう。

 実は谷口は2軍の補欠だったので、実力的には墨谷二中のメンバーよりも劣っていた。はっきりとした解説はなかったが、守備練習を見ていた墨谷二中のメンバーが「いくらなんでもひどすぎるぜ」なんて言っていたほどである。いや、とんでもない暴言だ……。

 だが、谷口はひたむきな努力でキャプテンに任命される。日ごろの練習と帰宅後の父親との特訓で、実力がグンと伸びていくのだ。当初はここならレギュラーになれそうという軽い気持ちで入部した谷口だったが、4番サードでキャプテンというチームを引っ張る存在になっていった。

 チームを任された谷口は猛練習を課し、当時では当たり前だったスパルタでメンバーを鍛え上げていく。スパルタ過ぎるために野球部員たちに反感を抱かれることもあったが、彼らも学校での猛練習後に自ら猛特訓をしている谷口の姿を見て意識が変わっていく。

 後輩でのちの主人公でもある丸井とイガラシの交代劇や、痛めた指でのピッチングに打席でのヒットなど、谷口はチームを背中で引っ張り続け、全国大会優勝へと導いていった。

「あきらめない」「頑張る」というまさに根性論を全開に出していった谷口。現代社会だと賛否両論あるかもしれないが、当時は感動したものだった。

■三軍から努力で一軍のエースに昇格した『名門!第三野球部』檜あすなろ

 次は、三軍に所属しながら全国大会にエースとして勝ち進んだ『名門!第三野球部』(むつ利之さん)から、檜あすなろを紹介したい。

 あすなろが通う桜高校は野球名門校で部員数も多い。体格も小さくて気弱なあすなろは学校でもいじめられっ子で、言い返すこともできずにいつも泣いていた。

 大好きな野球もお世辞にも上手いとはいえないあすなろは、三軍(第三野球部)で毎日雑用ばかりをこなし、一軍の選手からはバカにされる始末。しかも第三野球部は邪魔だからと監督から解散命令を出され、危機的状況にあった。

 半べそをかきながら、あすなろが「僕達…クズですか?」と聞くと、監督の鬼頭は「そうだ クズだ!」と冷たく突き放す。鬼頭によると甲子園を目指す人間は2種類いて、片方は才能のある選手で、もう一方はクズだという。第三野球部はなんとか最後に試合をさせてほしいと、一軍との試合を取り付けるのだ。

 部員が足りないあすなろたちは幼なじみの村下夕子や、監督に暴力をふるい三軍に落とされた海堂タケシを仲間にして猛特訓を積み上げていく。甲子園経験者で一流選手でもある海堂の激しい指導により、ボロボロになりながらも急成長を遂げるのだ。

 一軍との試合は10点差を付けられたらコールド負けという状況のなか、驚異の粘りで追い上げ、再試合で勝利して見事一軍へと昇格。

 落ちこぼれ集団だった彼らのなか、ひときわ輝いていたのがエースのあすなろだ。序盤では執拗ないじめを受けたりもしていたが、彼の純粋で真っ直ぐな性格は急成長しても変わらない。読んでいて涙がこぼれそうになるほど。

 一軍との試合以降、闘志を秘めていくようになっていくあすなろ。終生のライバルでもある銚子工業のエース・桑本聡からは当初「チビ」と馬鹿にされるが「でくの坊」と言い返せるようになるほど。あれは爽快だったが、あすなろに負けて泣きながら努力していく桑本の再登場シーンも最高にカッコよかった。 

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