3月27日「世界演劇の日」に振り返る…『ガラスの仮面』思わず憧れた主人公・マヤのすごすぎた才能の画像
『ガラスの仮面』第4巻(プロダクションベルスタジオ)

 本日3月27日は「世界演劇の日」だ。この日は演劇の魅力を広め、劇場で働くすべての人に感謝するために制定された日である。

 そんな「演劇の日」に相応しい漫画といえば、美内すずえ氏による『ガラスの仮面』だろう。本作は1975年から97年に『花とゆめ』(白泉社)、2008年から12年に『別冊花とゆめ』に掲載され、現在も連載が続く不朽の名作である。

 本作では、主人公・北島マヤの演劇にかける人生が波乱万丈な展開で描かれている。演劇において天才と称されるマヤだが、彼女が演劇に没頭する様子はもはや常軌を逸しており、そんなシーンの数々は本作の見どころでもある。

 昔、『ガラスの仮面』を読んだ人の中には、そんなマヤに憧れた少年・少女もいたかもしれない。ここでは、天才演劇少女・マヤのすごすぎた才能を今一度振り返りたい。

■チケットのために冬の海にダイブ…一度見た舞台はすべて暗記、人形役ではまばたきをしない

 マヤの演劇に対する情熱や、天才肌っぷりは物語序盤から大いに展開されている。

 登場当初、マヤは母と2人で中華料理店に住み込み貧しい暮らしをしていた。ある日、店主の娘・杉子から不可能な量の配達を1人でこなせたら、舞台「椿姫」のチケットを譲ると言われ、見事マヤはそれをクリアする。それに腹を立てた杉子が海にチケットを投げるも、マヤは真冬の海に飛び込んでチケットを取り返すというとんでもない行動をとった。

 その後、無事に“椿姫”を鑑賞したマヤ。一連の行動を見ていた往年の大女優・月影千草に見出され、自宅に呼ばれ“椿姫”を演じてほしいと頼まれる。

 すると、すっかり役になりきり、千草が思わず「うっ!」と衝撃を受けるほどの椿姫を演じたマヤ。しかも舞台を一度鑑賞しただけでセリフをすべて覚えており、その姿に千草は「おそろしい子! オーホッホッホ」と、かの有名なセリフとともに高笑いをするのであった。

 こうして千草との出会いのもと、マヤは演劇の世界に身を置くようになる。そして、コミックス第8巻に登場する「石の微笑」の舞台では、マヤはセリフも動きもない人形の役を演じることに。

 絶対に動いてはいけない人形の役を完璧にこなすため、マヤは“全身ギプス”のようなもので体を縛り付けて練習をした。その結果、マヤは舞台でまばたき1つせず、完璧な人形を演じきった。その完成度は、観客が本当の人形かと見まごうほどであった。

 いずれも一般人には到底マネできない、驚異の演技能力を発揮したマヤ。まさに演劇をするために生まれてきた少女と言えるだろう。

■演劇のためなら苦痛はない!? 40度の熱でも舞台、泥団子だって平気で食べる

 実際に舞台に立つことは心身ともにとてもハードであり、体調によってはさらにダメージも加わるだろう。しかしマヤにとってはそのようなデメリットよりも、舞台に立てる喜びのほうが勝るのだ。

 それが良く分かるシーンが、コミックス2巻で描かれた舞台「若草物語」のシーンで登場する。

 厳しい特訓に耐え、見事、ベス役を掴んだマヤ。しかし病気のベスになりきるため雨に濡れたことがきっかけで、マヤは舞台本番で40度もの熱を出してしまう。しかしマヤは千草に叱咤激励されたこともあり、高熱のままベスを演じきる。危篤状態のベスを演じた際は、ベッドから崩れ落ちそうになりながらも恍惚の表情を浮かべ、役に没頭していた。

 またコミックス17巻に登場する「夜叉姫物語」で、マヤは村人にいじめられるトキという子役を演じる。そこでマヤは周囲の策略により舞台で食べる予定だったまんじゅうを、泥まんじゅうにすり替えられてしまう。

 しかし一度役者のスイッチが入ったマヤは、泥まんじゅうを平気で口にし、「おらあトキだ!」と、女優の執念で泥まんじゅうをジャリジャリと食べるのであった。

 どんな困難やトラブルが起きても、舞台上でのマヤは動じることがないのである。

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