「ドラミちゃん」に「ドラベース」に「ドラえもん百科」も!意外と知らない『ドラえもん』スピンオフ作品の世界の画像
ドラミちゃん登場50周年記念で発売された『ドラミちゃん』(てんとう虫コミックス)

 藤子・F・不二雄さんの代表作であり、1969年から50年以上にわたって世界中のファンから愛されている『ドラえもん』。テレビアニメの他に「大長編シリーズ」「関連作品」を含め50作以上の映画も制作されており、2024年3月には最新作『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』も公開となった。

 さて、『ドラえもん』には、いくつものスピンオフ作品があるのをご存知だろうか。スピンオフ作品はのび太やドラえもん以外のキャラクターを主人公に据えていて、『ドラえもん』とはまた違った楽しさがある。今回は、そんなスピンオフ作品をいくつか見ていこうと思う。

■頼れる妹ドラミちゃんが大活躍!『ドラミちゃんシリーズ』

 まずは、ドラえもんの妹・ドラミちゃんが主人公の『ドラミちゃん』シリーズ。ドラミちゃんはのび太の子孫である「セワシ」のお世話係を務めるネコ型ロボット。真面目で正義感が強く、兄のドラえもんよりも優秀で、『ドラえもん』の登場キャラの中でも人気が高い。 

 ドラミちゃんは『小学五年生』1973年4月号掲載の漫画『ドラえもん』で初登場し、1974年からは、ドラミちゃんを主人公にした外伝作品『ドラミちゃん』(8エピソード)の連載が『小学館BOOK』でスタート。同作のドラミちゃんは、のび太と瓜二つな“遠い親戚”野比のび太郎のお世話をしているという設定だった。 

 同作では、ジャイアン=カバ田、スネ夫=ズル木、しずかちゃん=みよちゃん、といったオリジナルの対比となるキャラが登場していた。ただ、この外伝はドラえもん単行本化に伴って統合され、単行本ではドラえもんの物語に改変されている。

 キャラもドラえもんの登場人物に書き換えられているが、初期の単行本には小さいジャイアンや修正されなかったズル木など、部分的に『ドラミちゃん』の世界観が残されている。

 ドラミちゃんは1980年にアニメにも登場するようになり、1989年にはドラミちゃんを主人公にしたスピンオフ映画『映画ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』が制作され、『映画ドラえもん のび太の日本誕生』と同時上映された。

 同作は、過去ののび太が注文したミニドラを追いかけるドラミちゃんと、未来ののび太らが繰り広げるドタバタコメディ。ちょび髭になった大人のジャイアンたちも見どころだが、人懐っこく「ドララ〜」と動きまわるミニドラがとにかく可愛かった。

 その後、1991年に『映画ドラミちゃん アララ少年山賊団!』、1994年に『映画ドラミちゃん 青いストローハット』など、数々のスピンオフ映画が公開されている。

■ドラえもんが本格野球に挑戦した『ドラベース』

 2000年から『月刊コロコロコミック』で連載が始まった『ドラベース ドラえもん超野球外伝』は、藤子さんのアシスタントをしていたむぎわらしんたろうさんが手掛けたスピンオフ作品だ。

「ドラえもん+野球」という斬新な組み合わせには、誰もが驚いただろう。確かに原作『ドラえもん』でのび太たちは頻繁に野球をしていたが、あくまでもそれは色付け的な要素で、ドラえもんと野球には本来なんら繋がりがない。ゆえに同作は、かなりチャレンジングなプロットである。しかし、ひみつ道具を使ったり必殺技があったりと設定がハチャメチャで非常に面白い。

 同作は『ドラえもん』が生まれた22世紀が舞台。ドラえもんの友であり藤本ひろしの世話をしているクロえもんを主人公に据え、ネコ型ロボットを集めた弱小草野球チーム「江戸川ドラーズ」の活躍を描いている。

 チーム名の考案者はドラえもんでピッチャーを務めていた。が、第一話でのび太の世話を理由に脱退。後にまた登場するが、物語全体ではほぼ関わりがなくなっている。ちなみに、ドラえもんはコントロールがイマイチだ。

 試合は男女混合でロボットの参加も可。指定されたひみつ道具を3回使うことができ、それを活用しながら勝利を目指していく。ここがぶっ飛び要素の一つで、”空気クレヨン”を使って空中走塁をしてみたり”ビッグライト”でバットを大きくしてみたり、”ドンブラ粉”で地中に潜ったりとなんでもありなのだ。

 さらに、それぞれのキャラに「満月大根斬り」といった必殺技もある。ひみつ道具に匹敵するくらい個性的な必殺技ばかりで笑ってしまう場面も多いが、その一方で草野球のリアルな描写やキャラたちの真剣さは野球漫画そのもの。弱小チームが自分たちの限界を超えて強豪チームに挑み、乗り越えていく様子は手に汗を握る。

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