■『機動戦士ガンダムUC』ユニコーンガンダム対ネオ・ジオング

 最後は2010年よりリリースされたOVA『機動戦士ガンダムUC』より。

 同作のラストバトルでも、モビルスーツ同士の殴り合いが展開。ネオ・ジオングによる擬似サイコフレーム「サイコシャード」の効果によって武装が解除された結果、ユニコーンガンダムとネオ・ジオングが、ほぼ1対1で殴り合うこととなった。

 ネオ・ジオングは全長116メートルの巨大モビルアーマーで、腕部は4本ある。それに加えてサブアームも備えているため、物理的に殴り合えばユニコーンガンダムに勝ち目はないものと思われる。

 しかし、ユニコーンとネオ・ジオングのお互いの拳がかち合った際に、一方的にネオ・ジオングの腕だけが破壊されてしまう。その後もユニコーンガンダムは、手刀によりもう一本の腕を切断。貫き手で装甲の内側から、ネオ・ジオングの配線をちぎり切ったりと、ネオ・ジオングを圧倒した。

 そして最後には、そっと両手の掌をネオ・ジオングにかざし、ネオ・ジオングを崩壊させたのであった。

 内部構造まで細かく描く凄まじい作画の書き込み、拳法のように手刀や貫手でネオ・ジオングを破壊していくユニコーンガンダムと、映像のインパクトが非常に高い名バウトだ。

 以上、モビルスーツでの殴り合い名バウトのシーンを3つピックアップして紹介した。どれも最終戦ということもあって、熱いシーンばかりだが、オマージュを含めて、初代『機動戦士ガンダム』へつながる要素ばかりなのが、『ガンダム』シリーズの世界観の広がりを表しているようで、感慨深くもあるシーンであった。

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