『Bling-Bang-Bang-Born』の世界的大ヒットを生んだ「思いつきのダンス」、Creepy Nutsとアニメ『マッシュル-MASHLE-』の幸福な関係の画像
『THE FIRST TAKE』 Creepy Nuts 『Bling-Bang-Bang-Born』 (C)甲本一/集英社・マッシュル製作委員会

 いま最も流行っているアニメはなんだろう? 『鬼滅の刃』? 『SPY×FAMILY』? いや、流行に最も敏感な小中学生の間で、いま爆発的な人気を集めているのは『マッシュル‐MASHLE‐』だ。

 3月14日付の映像配信サイト・ネットフリックスの日本ランキングで『マッシュル』は2位、台湾のランキングで6位、配信サイト・U-NEXTのアニメランキングでも5位、日本のアニメとマンガに特化した海外のSNS「MyAnimeList」では、およそ3万2000人分のユーザーレビューで8.13のハイスコアを記録している。

『マッシュル』は、『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて、2020年9号より2023年31号まで連載された甲本一の人気漫画。2023年4月にアニメ版第1期が放送され、2024年1月から第2期『神覚者候補選抜試験編』が放送されている。

 本作のキャッチコピーは「ぶっ壊すしかないでしょグーパンで」。物語の舞台は、誰もが魔法が使える世界「魔法界」。主人公のマッシュ・バーンデッドは生まれたときから魔法を使うことができず、その代わりに筋トレにひたすら励んでいた。

 やがて、マッシュは魔法を使えないものを取り締まる魔法警察に見つかってしまうが、日々の筋トレで身に着けたとてつもない筋力で警官を撃破。その警官はマッシュを見逃すかわりに、名門魔法学校イーストン校に入学して最高位・神覚者を目指すことを提案する。マッシュはその提案を飲み、魔法が使えないまま、筋力だけで魔法学校を渡り合っていくことになる――。

 アニメ第2期『神覚者候補選抜試験編』では、いよいよ「神覚者」を目指して、マッシュは選抜試験に挑んでいる姿が描かれる。最強の敵・無邪気な淵源(イノセント・ゼロ)が現われるなど、ストーリー的にもピークを迎えるシリーズではあるが、ヒットの一番大きな起爆剤はオープニング・テーマ。Creepy Nutsによる『Bling‐Bang‐Bang‐Born』だ。

 “ブリン‐バン‐バン‐ボン”という、そのキャッチーなフレーズと、アニメーションでリズミカルに描かれたマッシュたちのダンス。そのオープニング動画がオンエアされ、ノンクレジットオープニング動画がYouTubeで配信されると、SNSメディアで拡散。たちまち、カバーするダンス動画が『#BBBBダンス』としてTikTokを始めとするSNSで大バズりすることになった。

 配信開始後わずか2週間で1000万再生を突破。楽曲は台湾、チェコ、インドネシア、ラオス、メキシコ、チリ、ウクライナ、アメリカ、イギリス、フランス、南アフリカなど10か国以上のiTunesヒップホップチャートで1位を記録した。

 2月28日には、Billboard JAPANにおけるストリーミング1億回再生を突破。また、3月8日に公開された『THE FIRST TAKE』のパフォーマンス動画は、史上最速で1000万回再生をマークしている。まさしく世界的なヒット曲となったのだ。

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