■コピーロボットを「ソックリロボット」と呼んでいる

 パーマンのお助けアイテムと言えば「コピーロボット」が挙げられる。

 普段、コピーロボットは赤い鼻だけのシンプルな人形だが、その鼻を押した人間や動物の記憶を引き継いだ、姿そっくりのコピーとなる。正体を知られてはいけないパーマンたちのアリバイ役として使われるパーマンの活動に不可欠なコピーロボットだが、本作ではコピーロボットが絡んだトラブル回も非常に多く、視聴者を楽しませてくれた。

 もともと旧作『パーマン』は複数の雑誌で連載されていた作品だが、先行して連載がスタートした学年別の月刊学習雑誌『小学三年生』(小学館)では、そんなコピーロボットの名称が「ソックリロボット」となっていた。

 他にも、正体がバレたときの「おしおき」の内容など、パーマンの能力やデザインといった設定の変更が旧作には多々見られるのも面白いところだろう。

■パーマンの最終回は?

 パーマンの最終回はご存じだろうか。旧作、新作と多少の違いはあるが、基本的にはパーマン1号であるミツ夫が「最優秀パーマン」に選ばれ、バード星へ留学するために旅立つという内容になっている。

 当初は最優秀パーマンに選ばれたくて必死に頑張るも全然うまくいかないミツ夫だったが、いざ選ばれて地球から離れる段階になると、急に悲しくなってしまうというちょっと切ない内容だった。

 新作アニメ版の最終回も基本的な流れは同じだが、パーマン1号がバード星に旅立つ前にパー子から自分の正体がアイドルの星野スミレであると明かされ、さらに1号に告白するというアニメオリジナルのドラマチックな展開が追加されている。

 ちなみに星野スミレは、その後も『ドラえもん』作品にたびたび登場するなど藤子・F・不二雄作品の名物キャラとなっている。

 

 今回は名作『パーマン』にまつわるさまざまな豆知識を紹介してきた。筆者のように1983年のカラーアニメ版を見て育った人にとっては、旧作のバードマンの名称やパーマン5号の存在にはとくに驚きがあったのではないだろうか。

 そして、カラーアニメ版の最終回は漫画版にアレンジが加わり、テレビならではのドラマチックな展開になっている点も非常に興味深いといえるだろう。

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