生誕90周年を記念してPrime Videoで独占配信中の『藤子・F・不二雄 生誕90周年記念 映画併映作傑作選』が話題を呼んでいる。いずれも名作ぞろいだが、なかでも個人的に面白かったのは、『パーマン バードマンがやってきた!!』(シーズン1エピソード3)だ。
テレビ第1話の前日譚「エピソード0」とも言える内容で、子どものころテレビ放送を毎回楽しんで観ていた筆者にとっては非常に懐かしく思い出深いものであった。
そこで今回は当時のことも振り返りつつ、名作『パーマン』にまつわる豆知識を紹介していきたい。『パーマン』は1966年の旧作漫画ならびに1967年放送の白黒アニメ版、そして1983年の新作漫画ならびにカラーテレビ版があるので、その変更点なども紹介していく。
■主人公のミツ夫は“たまたま”パーマンになった!?
本作の主人公は小学5年生の須羽ミツ夫だが、彼がパーマンになった理由をご存じだろうか。今回配信されている『パーマン バードマンがやってきた!!』でも描かれているが、ミツ夫がパーマンになった理由は、ズバリ“たまたま”だった。
ミツ夫が近所の空き地で佇んでいるとき、地球に来たバードマンと偶然出会う。そしてバードマンは「まあ良かろう 最初の一人は君で間に合わせておこう」と、かなり適当にミツ夫をパーマンに任命するのだ。
その際、パーマンセット(マスク、マント、バッジ)をもらい、簡単な説明を受けてはいるが、当初はミツ夫本人もパーマンになることを本気にしていなかった。
ちなみに2号の選び方はもっと適当だ。パーマンのバッジを指で弾いて当たった者で決めている。
■バードマンの名称はもともとは「スーパーマン」だった
こんな適当でいい加減なバードマンだが、旧作では“スーパー星から来たスーパーマン”ということになっている。新作では“バード星から来たバードマン”と変更されており、スーパーマンは日本語で「超人」ということから、「鳥人」ともじって名付けられたという説が有力なようだ。
ちなみに、カラーアニメ版のバードマンの声優はミッキー・ロークなど洋画の吹き替えで有名な安原義人さん。声からもバードマンの陽気で、良い意味で“いい加減な感じ”が伝わってくるのだから見事だ。
■パーマンには5号が存在していた
筆者が見ていた1983年のカラーアニメ版、そこに登場するパーマンの仲間は、パーマン1号の須羽ミツ夫、2号のブービー、紅一点3号のパー子、関西人の4号パーやんの4人であった。
しかし、旧作には「パー坊」というパーマン5号が存在していた。その正体はコーちゃんという2歳の赤ちゃんで、カタコトながら非常に賢く、自分が赤ちゃんであることを利用して犯人を油断させ、捕まえたこともある。
ただ、旧作においても連載後期での登場であったため、ほかの4人のパーマンに比べるとかなり出番は少なかった。新作版のコミックスにも、わずかながらパーマン5号が登場するエピソードは残っているが、旧作では登場している最終回からは姿を消している。