■見た目は花なのに不気味すぎる…「ラフレシア」

 最後は『機動戦士ガンダムF91』に登場した「ラフレシア」を紹介しよう。

 まさしく花のような形状をしたラフレシアは、花びらにあたる5枚のバインダーに大量の高出力ビーム砲を備えており、花粉のように弾幕をまき散らして攻撃する。

 テンタクラ―・ロッドという125本の触手は、強化人間のパイロットであるカロッゾ・ロナが一本ずつ自在に操ることが可能で、宇宙空間でぞわぞわと漂う様子はホラー感満載となっている。

 カロッゾが人類の可能性を花にたとえて開発したMAであると言うが、その美しいコンセプトの割に悪臭を放つ巨大な花の「ラフレシア」から機体名を名付けるというのは、なかなかユニークである。

 会敵すれば間違いなく震えあがってしまうほど不気味な見た目をしているが、あまりにもデザインが花に寄りすぎており、思わず「本当に兵器として最善のデザイン?」と問いたくなる、ほかに類似するものがないMAである。

 

 今回紹介した以外にも『ガンダム』シリーズには、不気味なデザインのMAがまだまだ存在する。個人の感性はさまざまで、周囲ではあまり評価されてない不気味なMAでも自分はかっこいいと感じる瞬間があるのだから不思議である。

 その不気味さのなかにロマンを見つけ、数あるMAの魅力を語りつぎながら、これからもガンダムの歴史を紡いでいこう。

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