■『NARUTO-ナルト-』うちはマダラ
最後は、岸本斉史氏による『NARUTO-ナルト-』のうちはマダラだ。マダラはうちは一族の中でも飛び抜けた強さを持ち、大きな野望を持つ人物でもある。彼は「月の眼計画」によってすべての人類が救われると考え、自らが十尾の人柱力となり「無限月読」によって月に自らの眼を投影させた。
この計画は、「無限月読」を使用して全人類に幻術をかけることで、それぞれが夢の世界で生き続けるというもの……。しかも夢の内容は対象本人が心から望んでいるものであり、彼らはその幸せな世界に囚われてしまう。
そうすることで誰も行動を起こすことができず、マダラが思い通りに支配できる状態となる。しかも厄介なことに、建物に隠れていたとしてもこの術から逃れることはできない。実際に発動された時は、ナルトたち以外はみんなが眠りについてしまった。
マダラはいろんな人間の思想が争いを生む原因だと考え、それらを無くして自らが統率者になろうとしていた。それにしても、ここまで世界に影響を与えるような大技は、対抗のしようがないので反則と思ってしまう。
睡眠は人間にとって一番無警戒な時でもある。そこを狙って能力として出されてしまうと成すすべがないので、ある意味チートだろう。
しかし、バトル漫画においてそれほど多用されていないのは、能力や演出として地味だからなのかもしれない。筆者としてはもう少し評価されても良い気もするのだが……。