金城武、松田優作にジャン・レノの登場も話題に! いまだリメイクされない大ヒット作…戦国サバイバルアクション『鬼武者』が残した伝説を振り返るの画像
PS2ソフト『鬼武者』

 現在開催中の「CAPCOM PUBLISHER SALE」にて、Nintendo Switchの名作戦国サバイバルアクション『鬼武者』が、58%オフの1490円(税込)という価格でラインナップされている(3月25日まで)。『鬼武者』はPS2で大ヒットを記録したシリーズだが、一方でこれまで一度もリメイクされておらず、その内容を知らないというプレイヤーも多いのではないだろうか。

 有名俳優をモデリングしたことでも話題となった『鬼武者』シリーズについて、今回は振り返ってみたい。

■ミリオンセラーとなった記念すべき初代『鬼武者』

 カプコンのサバイバルホラータイトルといえば、実写映画まで公開されている大ヒットシリーズ『バイオハザード』が有名だが、そのノウハウを活かし2001年に生み出されたのが、シリーズの記念すべき初代作品となったPS2用ソフト『鬼武者』である。

 銃を武器にゾンビと戦っていた『バイオハザード』から一転、『鬼武者』は日本の“戦国時代”がモチーフとなっており、甲冑を身に纏った主人公が刀を武器にさまざまな脅威と戦っていく。

「空前絶後のバッサリ感」というキャッチコピーとともに発売された本作は、俳優の金城武さんが主人公・明智左馬介のキャプチャーモデルと声優を担当したことでも話題を呼んだ。

 本作でプレイヤーの行く手を阻むのは“幻魔”と呼ばれる怪物であり、人間のような姿をしているものから、巨大な体躯を持つおぞましい姿をしたものなど実に多種多様だ。ただの刀では到底太刀打ちできない怪物だが、左馬介は道中で出会った“鬼の一族”から“鬼の篭手”を受け継ぎ、人ならざる力を借りることで幻魔に立ち向かっていく。

 プレイヤーは幻魔を切り伏せながら、彼らの体から獲得した“魂”を使って武具や必殺技の要となる“龍玉”というアイテムを強化し進んでいくこととなる。

 本作最大のウリは、やはり爽快感あふれる“剣戟アクション”だろう。武器ごとの個性豊かな攻め手はもちろんのこと、相手の攻撃をタイミングよく弾くと繰り出せる“一閃”は文字通り一撃で相手を切り伏せることができ(ボス以外)、決まったときの快感はクセになること間違いなし。

 史実をベースに“幻魔”という存在を絡めた大胆なストーリー展開と、美麗なグラフィックが実現した迫力ある戦闘シーン。そしてなにより、『バイオハザード』から受け継いだ仄暗いホラーの空気感もしっかり表現された、なんとも隙のない一作となっている。

 まさに、のちに続いていく名作シリーズの元祖を切り開いた大ヒット作品だ。

■豪華俳優陣を引き連れ、確実に進化した正当後継作『鬼武者2』

 練り込まれたゲーム性やホラーと剣戟アクションの見事な融合、史実をベースにした壮大なシナリオ……など、さまざまな要素から多くのプレイヤーを虜にした『鬼武者』は、PS2ソフトとして初のミリオンセラーを記録する伝説の一作となった。この大ヒットを受け、2002年に発売されたのが、続編である『鬼武者2』だ。

 前作から13年後の戦国時代を舞台に、“柳生新陰流”の開祖・柳生十兵衛(のちの宗厳)を新たな主人公として、“鬼”と“幻魔”にまつわる物語が展開された。

 本作で柳生十兵衛役のモデルとなったのが、歌手・俳優として各方面で活躍した松田優作さんだ。2002年の段階ですでに故人となっていた松田さんだが、過去の画像・映像を用いたキャプチャーモデルと、ものまねタレント・ハードボイルド工藤さんの演技を組み合わせることで、かつての名優の姿をそのまま戦国時代で操作することが可能となった。

 また、主題歌を布袋寅泰さんが担当していたり、当時のCMに松田さんの息子である俳優・松田龍平さんが出演していたりと、前作にも増して出演陣、タイアップともに非常に豪華な一作だ。

 無論、ゲームシステムも初代に比べ大幅に進化しており、刀や“鬼”の力を使った爽快感あふれるバトルは健在。加えて今作では、道中をともにする仲間も多数登場し、刀とは一風変わった戦術を駆使するキャラを操作できるようにもなった。

 また、選択肢によってイベントが分岐したり、クリア後のやり込み要素が大幅に追加されたりと、全体的なボリュームも格段にパワーアップしている。

 操作性、アクション、俳優陣、遊び要素……どれを見ても一分の隙もない、まさに『鬼武者』シリーズの正当な後継作といえるだろう。

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