■野戦病院としての機能を持った「ホスピタルザクウォーリア」

 最後は『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の外伝作品『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』から、人にやさしいザク「ホスピタルザクウォーリア」を紹介する。

 ホスピタルザクウォーリアは非戦闘用の機体で、おもに災害時の緊急支援を目的にしているザクだ。よって、機体カラーリングも白と赤である。

 ザフト軍には、装備を換装しさまざまな状況に対応する“ウィザードシステム”があるのだが、本機は“ホスピタルウィザード”という病院としての機能を持つコンテナを3基搭載。さらに、両肩部装甲は赤色灯&照明、左右両腰部のグレネード用バレットは予備電源バッテリーにそれぞれ変更されている。

 これらの装備により通常の車両では進入不可能な地域に入り、巨大病院施設を作り出すことが可能になっている。ちなみに、施設を稼働させる電力はモビルスーツ本体のバッテリーとウィザードの追加バッテリーから供給される優れものだ。ザクウォーリアの汎用性をいかんなく発揮している機体の一つだろう。

 ホスピタルザクウォーリアは、この優秀さからザフト軍の地上基地には必ず配備されており“はたらく車”ならぬ“はたらくザク”であった。現実の世界でもっとも欲しいザクは、このホスピタルザクウォーリアかもしれない。

 

 今回は、「ちょっとかわいい」ザク3機を紹介してきた。ザクはアーミーカラーで無骨なイメージだが、今回紹介したザクたちは現実世界にあっても役立ちそうだ。カラフルなカラーリングも親しみやすかった。

『ガンダム』シリーズに登場するザクは渋くてかっこいいだけじゃなく、機体によっては“かわいさ”をも感じさせる別の魅力も持っていた。

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