近年、1980年代をネタにした話題が流行っている。TBSで放送されている金曜ドラマ『 不適切にもほどがある!』では、1986年にファンクラブが結成されるほど大流行していた『ハローキティ』のマスコットがさりげなく登場したりもする。いつの時代も、ぬいぐるみや文房具になった大人気キャラクターというのは存在するのだ。
人々から愛されるキャラクターは、時代によって変化している。とくに1980年代にはファンシーブームが起こり、子どもから大人まで人気を博したキャラクターグッズがたくさん誕生した。今回は『ハローキティ』以外にもあった、昭和の懐かしさを感じる“かわゆい”キャラクターたちを、いくつか紹介したい。
■迷子になった飼い猫を探すシチュエーションが大ヒット『うちのタマ知りませんか?』
『タマ&フレンズ 〜うちのタマ知りませんか?〜』は、1983年にソニー・クリエイティブプロダクツから誕生したキャラクターだ。
このころ人気だったキャラクターの多くは、次に紹介する『レモンビレッジ』など、ローマ字をあしらったアメリカンチックなキャラクターが多かった。しかし『うちのタマ知りませんか?』は、あえてキャラクターを日本語表記にし、子どもの字のような文体でメッセージを添えている。これも、多くの日本人の心を掴んだヒットの理由だ。(参考:『’80sガーリーデザインコレクション』(グラフィック社))
また、グッズにはタマを探すメッセージが添えられていることもあり、“せいかくはおとなしく ほとんどなきません”、“みつけたひとは、さんちょーめの岡本までれんらくください”といった、ストーリー性のあるデザインも話題になった。
『うちのタマ知りませんか?』ブームはその後30年以上に渡って続き、文房具などのグッズはもちろん、アニメや絵本、学習ドリルや地方銀行のキャラクターにも採用されている。親から子へ引き継がれるような、国民的キャラクターなのである。
■ファッショナブルなキャラクターが話題に!『レモンビレッジ』
『レモンビレッジ』は、1982年に創刊されたティーン向け雑誌『Lemon』(学習研究社)から誕生したキャラクターである。ジャミーとパフィーという2人のカップルを中心にしたキャラクターであり、大きな目でいろいろな表情を語るキャラクターの可愛さがヒットした。
それまで誕生していたキャラクターは動物が中心だったため、洋服はいつも同じパターンが多かった。しかし『レモンビレッジ』の2人が着ている洋服は、当時人気を誇っていたチェッカーズを彷彿とさせるファッションであり、グッズによって異なるファッショナブルさもウケた。
ロゴは「Lemon Village」と英語で表記されている。その下に英文が載っているものもあり、よく見ると「daisuki」といったローマ字表記などもされていて、ちょっとしたストーリー性があるのもおしゃれだ。
ペンケースやノートなど文具を中心としたグッズが多く、子どもから大学生の若者まで人気を博したキャラクターだった。