ゆでたまご(原作:嶋田隆司氏、作画:中井義則氏)による昭和の名作『キン肉マン』(集英社)は、原作漫画もさることながらアニメも大人気で、当時、筆者も毎週楽しんでいたものだ。
そういえば10年ほど前、まだ未就学児だった我が家の長男と長女にアニメ『キン肉マン』を見せてあげると大笑いをして喜んでいた。現在、令和の小学1年生である次女に見せたらどうなるのだろうか。
■黄色のオナラで空を飛ぶ! いまどきこんなヒーローなんていない…
『キン肉マン』に登場する超人たちは、空を飛べるのが初期設定だった。颯爽と飛んでいく超人たちに対し、主人公のキン肉マンはなぜかオナラをしながら空を飛んでいる。
「ププププ…」と連続で放屁する効果音と、ガニ股で飛んでいるキン肉マンに次女も爆笑だ。「あれってパンツやぶけてないの?」次女の疑問に「超人だから大丈夫」ということにしておいた。
額の“肉”マークが消えてしまうと力を発揮できなくなるキン肉マンは、ニンニクを食べて元気になる。しかし、よく考えてみるとニンニク好きのキン肉マンのオナラは相当臭そうだ……。いまどき、こんなヒーローなんていないだろうな。
次女にキン肉マンの背中に乗って飛んでみたいかと聞いてみると、「やだ、ぜったいにくさそう」なんて言われる始末。許してくれ、スグル!
■『ウルトラマン』を知らない世代にはビームの発射がとても新鮮
当時のオープニング曲「キン肉マン Go Fight!」の歌詞にも登場しているが、初期のキン肉マンの必殺技は「キン肉ビーム」だった。串田アキラさんのパワフルでカッコいい歌声にテンションが上がったものだ。そして「ビーム」といえばやはり『ウルトラマン』だが、『キン肉マン』初期に登場する敵にも怪獣が多く、意識していることがよく分かる。
ただ、次女の世代はもっぱら動画視聴がメインで、なかなかテレビを観ない。特撮シリーズをほとんど見ていないこともあり、『ウルトラマン』を全然知らないのだ。
とはいえ『キン肉マン』の展開に、まったく抵抗なくハマっている様子の次女。複雑なストーリーではなく、ちょっとドジな正義のヒーローが怪獣をやっつけるという展開が分かりやすいからか、見ていてとても面白いらしい。
敵にやられて涙目になったり、たんこぶを作ったり、また、軟体になって涙目になる姿にも大笑いしていた。
あらためて見てみると、初期のキン肉マンは国民に嫌われており、相当苦労していたことが分かる。東京タワーのてっぺんでうなだれているシーンは、哀愁すら漂っていたな……。
そんなキン肉マンが放つ「キン肉ビーム」! 次女にとっては、とても新鮮でカッコいいらしい。神谷明さんの声ととてもマッチしているのもあり、さらに面白さが際立っていた。