■見苦しい命乞いを披露したプッチ神父
最後は第6部のラスボスで、DIO(ディオ)とも関係の深いプッチ神父だ。プッチ神父は職業上人の幸せについて考えているところが大きく、「メイド・イン・ヘブン」を使用することで人類の救済をはかろうとしていた。
しかし、プッチ神父の目指す「天国」は万人が望む幸せなどでは決してなく、だからこそ徐倫たちは彼の計画を必死で阻止しようとする。それでもプッチ神父は宿敵である承太郎を葬り、「メイド・イン・ヘブン」によって新たな世界を生み出すことに成功したが、最後の最後でエンポリオによって邪魔をされることになる。
ウェザー・リポートの力を託されたエンポリオに追い詰められると、プッチ神父は命乞いをし始めた。その際、「わたしが死んだら人類の「運命」が変わってしまうぞッ!」と続け、「ここでわたしは死ぬわけにはいかないのだーーーッ」と見苦しく叫ぶ。
プッチ神父は、自分の理想郷が目の前にあったのに、それを寸前で阻止されたことが我慢ならなかったのだろう。それだけこの計画に心血を注いできたこともわかるから、ある意味同情してしまう。
しかし同時に、悪役の思い通りの世界にならなかったことにも安心した。
『ジョジョ』の強キャラには潔いというイメージもあるかもしれないが、必ずしもそういうわけではない。意外にも命乞いをしてまで生き延びようとしているのだ。しかし、そういう姿を見ることで人間味を感じ、逆に魅力的に思えることも少なくない。