アストナージにロベルトにビルギット…歴代『機動戦士ガンダム』地味でも死亡が残念すぎた「いい人キャラ」の画像
Blu-ray『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』初回限定版パッケージ

 あまりにも過酷な戦いを描くためか、バトルものの漫画作品・アニメ作品を見ていると、「いい人」ほど早く物語から退場してしまうことが多々ある。それは1979年からスタートしたアニメ『機動戦士ガンダム』シリーズでも同じである。

 宇宙を舞台にモビルスーツでの戦いを描く『ガンダム』シリーズでは、突出した才能を持ったパイロットにスポットが当たる。そのため、「いい人キャラ」は、アニメ作品としては地味な存在にもなりがちで、あまり活躍シーンは多くなく、最期の姿もあっけなく描かれがちである。

 今回は歴代『ガンダム』シリーズから、いい人だったのにあっけなく死んでしまった、その最期が残念すぎた地味キャラを見ていこう。

■硬派で真面目な歴戦の戦士

 まずはテレビアニメ『機動戦士Zガンダム』のロベルト。彼は第1話「黒いガンダム」からクワトロ・バジーナの部下として出ている、口ひげを生やした真面目な軍人のキャラクターだ。同じポジションのアポリー・ベイはカミーユ・ビダンの兄貴分になったりしたが、こちらは、その硬派さが仇となったのか、日常シーンではあまり目立たない。

 ロベルトは、一年戦争時からモビルスーツに乗っている歴戦のパイロットで、エゥーゴにとっては貴重なベテランパイロットである。そのはずなのだが、最新鋭機であるリックディアスに乗っているのにもかかわらず、ジムIIに押されたりなど、戦闘シーンでも他のパイロットと比べて見劣りする場面も多く見られた。

 そして、クワトロとカミーユにとって、頼れるベテランパイロットであっただろうロベルトは、物語中盤で、宇宙に打ち上げるシャトルの防衛に着いた際、アッシマーのビームに撃ち抜かれ死亡してしまう。

 カミーユはその瞬間「ロベルトさん!」と叫び、シャトルを打ち上げる役を任されたアポリーは、その最期を見て「ああ……」と涙を流しつつも、自分の責務を果たすため、発進に向けてカウントダウンを続けるのだった。

 作品を通して地味な存在ではあるものの、本編の描写でも、設定資料集などでも、ロベルトにネガティブな話は一切ない。実直であり、寡黙で職人気質な人物だったのだろう。その活躍や人となりを、もう少し見てみたかったと思わせるキャラクターだ。

■いつ死んだのかも分からなかったアストナージ

 続いても、ロベルトと同じく、『機動戦士Zガンダム』より登場しているアストナージ・メドッソ。『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』の後も、メカニックとして引き続きパイロットたちを支え、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、連邦軍のロンド・ベル隊に所属し、ラー・カイラムのチーフメカニックを務めた。ブライト・ノアやアムロ・レイたちからも信頼される優秀な人物だ。

 宇宙世紀の『ガンダム』シリーズを通して数多くの場面に登場しており、宇宙世紀時代のメカニックといえばアストナージというほどに、『ガンダム』シリーズの代表的存在だ。

 だが、その一方で登場キャラクター全体としてみると、メカニックという役職のためか、多くのシリーズにまたがって出ているにしては、その登場シーンは少なめである。

 そして、アストナージは『逆襲のシャア』で、チェーン・アギの出撃を止めようとして甲板に出た瞬間、運悪く流れ弾に当たってしまい死亡した。そのときも彼の顔は見えず、あまりにも一瞬の出来事だったため、初見ではアストナージが死亡したこと自体に気付かなかったという人も多い。

 とはいえ、各シリーズの主人公であるアムロ、カミーユ、ジュドーの3人全員と関係が深いアストナージの死は衝撃的であった。

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