■攻防一体を成す無数の触手「テンタクラー・ロッド」
「ラフレシア」を象徴するもっとも厄介で凶悪な武装が、計125本も搭載された「テンタクラー・ロッド」である。触手のように広範囲に稼働するロッド1本1本にビーム砲とチェーンソーが備えられているうえ、触れれば電撃を食らわせることができるという凶悪さを持っているのだ。
カロッゾによりそのすべてが脳波制御されているため、ロッドで捉えたビギナ・ギナの脱出ポッドを破壊し、セシリーの眼前でチェーンソーをちらつかせるという超絶繊細な動作も可能である。
他シリーズに登場するMAに搭載された巨大な「ビット」や「ファンネル」などのオールレンジ兵器は、広域かつ高出力のビームで敵機を殲滅するが、「テンタクラー・ロッド」はその攻撃範囲こそ限られるものの、125本という圧倒的な物量をもって空間を支配する。
作中では「ガンダムF91」のパイロット、シーブック・アノーがロッドをいくつか切り裂いてはいたものの、それをものともしない波状攻撃でF91の右足を破壊している(むしろ右足だけで済ませたシーブックにも驚嘆であるが……)。
ちなみに「ラフレシア」にはビーム兵器を拡散させる「Ⅰフィールド・ビームバリア」が備わっているため、遠距離からの攻撃は通用しない。撃墜するためには高出力の弾幕と「テンタクラー・ロッド」をかいくぐるのが勝利条件となっているため、量産機の機動性では到底かなうわけなどないのである。
まさに“最凶”の性能を持つ「ラフレシア」だが、「F91」の金属剥離による残像にカロッゾ自身が惑わされ、「テンタクラー・ロッド」で自らコックピットを破壊してしまうという最期を迎えてしまった。
しかしニュータイプの素養を見せたシーブックが駆る「F91」をギリギリまで追い詰めたことや、連邦軍へ甚大な被害を及ぼしたことは事実であり、存在し続けていれば世界を脅かす脅威になっていたことは間違いない。
宇宙世紀に登場するMAについて語る時、みなさんははたしてどのMAを最強の機体として挙げるだろうか?