■コロニーに毒ガス、ティターンズの誕生を許してしまった

 デラーズ紛争で連邦軍はジオン軍残党の恐ろしさを認識した。その対策のために対ジオン残党狩りを目的とした精鋭部隊ティターンズが誕生する。

 ティターンズは最新の設備に優秀な人材を集めて組織を大きくしていく。『機動戦士Zガンダム』の舞台となる宇宙世紀0087年では連邦軍の実権を握るまでに勢力を拡大していた。

 コロニーに毒ガスを撒いた通称「30バンチ事件」はそんな増長したティターンズが起こした事件の中でもトップクラスに残虐なものだ。

 反連邦デモが加熱していたサイド1の30バンチコロニーに使用が禁止された毒ガスを注入。中に住んでいた全民間人1500万人に被害が及んだ。指揮官はまたもバスク・オムだ。

 バスクが悪いというのはもちろんなのだが、ティターンズの中にはバスクのような反スペースノイド的な人物が多かったのだ。あまりの行いにティターンズのトップであるジャミトフも頭を悩ませていた。

「30バンチ事件」をキッカケにして地球連邦軍内部でも反ティターンズの動きが出てくる。そして結成されたのがエゥーゴである。『機動戦士Zガンダム』のグリプス戦役は連邦軍の派閥同士の戦いなのだ。問題だらけの組織といっていいだろう。

 今回紹介したように地球連邦軍というのは問題が大変に多い組織だ。ジオン軍に負けず劣らずの非道な行いをしている。どちらが絶対正義とは言い切れないのだ。

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