■棒を持つ教師、女子はブルマ…恐怖と恥ずかしさがあった『体育の授業』
1986年頃の体育の授業では、体育教師がバットのような物を持って指導する姿も見られた。筆者は当時小学生だったが、水泳の授業で体育教師が棒を持って指導していたのを思い出す。
プールの時間は生徒の頭が水面から出ていると棒でコツンとたたき、全体を静かにする際も水面を棒で叩いて注目させていたりもした。ヤンキーが多かった時代、体育教師もそれなりの威厳を持つために、このようなアイテムを持って指導しなくてはならなかったのかもしれない。
そしてこの頃の女子生徒の多くは、ブルマを着用しなければならなかった。真冬の体育でのブルマは本当に嫌だった。恥ずかしさはもちろん、太ももに刺す寒風がとにかくつらかったのを思い出す……。
そもそもブルマの歴史はアメリカから導入され、日本で学校体育着として定着していったそうだ。しかし徐々に女性からの反発意見が高まり、1992年以降にはすっかり消滅したのである。
■パフェを楽しむ女子高校生、不良はゲームセンターでたむろ…『放課後』の過ごし方
1986年の中高生は、放課後、比較的自由な時間を過ごしていたと思われる。現代のように学習塾も少なかった時代、部活のない日には友達と喫茶店などに入り、当時は安く購入できたパフェやクレープを頬張る女子高生も多かった。
その一方、不良たちはゲームセンターや喫茶店でたむろすることも多くあった。高校生なのに喫煙を黙認する大人も多く、タバコの煙の中、ゲーム台に集まる学生もいた。
またバイクの維持費や改造制服の代金などお金も必要だったので、アルバイトに明け暮れる学生もいたようだ。
当時の不良たちがどのような毎日を送っていたかは、髙橋ツトムさんによる80年代の暴走族を描いた漫画『爆音列島』でも詳細に描かれている。
不良がはびこる80年代の学校生活は恐ろしく、理不尽な部活のルールなどは今では絶対に許容できない。
しかし1986年はちょうどバブルがはじまった時期であり、世の中は浮かれ、テレビでも何を言っても良い風潮だった。そんな影響もあってか、当時の学校は生徒も先生たちも自分たちがやりたいことをやっていた雰囲気があったように思う。良くも悪くも、コンプライアンスで固められた現代において、86年の雰囲気は何かしら学べる点もあるかもしれない。
今期ドラマの中でも注目度が高い『不適切にもほどがある!』。今後のストーリー展開はもちろん、昭和レトロな描写も最後まで楽しみに視聴したい。