■グレートな不良高校生・東方仗助『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』
最後は、2017年公開の『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』から。原作は、シリーズ累計発行部数1億部を超える荒木飛呂彦さんの大人気漫画で、本映画が作られるまでは「ジョジョの実写化は不可能」とも言われていたほど、個性的な作品として有名である。
映画は、美しい海辺の町・杜王町が舞台の第4部で、山﨑さんが演じる高校生・東方仗助をはじめ、「スタンド」と呼ばれる特殊能力を持つ者たちのバトル作品となっている。
やはり本作の一番の見どころは、クオリティの高いCGを用いたスタンドバトルだろう。本格的な初の実写スタンドバトルとなった中盤のアンジェロ戦、仗助の“クレイジー・ダイヤモンド”と、山田孝之さん演じる殺人鬼・アンジェロの“アクア・ネックレス”の攻防は素晴らしく、ファン待望の映像となった。
不良高校生で非常にむらっ気のある一方、非常に機転の利く仗助というキャラを山﨑さんは理解し見事に再現していたように思う。
映画を観たファンの感想では「山﨑賢人扮した東方仗助、見事に演じ切った」と昔からのジョジョファンを唸らせる一方、「仗助と祖父の日常的なシーンが原作より濃く描かれていたので、その分別れの場面が辛かったです…」と人間ドラマの演技を評価する声もあった。そして本作は続編を期待する声も多いようだ。
今回は、“実写化請負人”と呼ばれる山﨑賢人さんが、原作ファンをうならせた神演技を紹介してきた。人気漫画はすでに魅力やイメージがファンの間で確立されているため、そういった意味で実写化は非常にハードルが高く、賛否両論があることも仕方がないことだ。
もちろん山﨑さんも例外ではない。しかし今回紹介してきた作品で確実に結果を残し、そして『ゴールデンカムイ』では、現地点での集大成ともいえる見事な演技を披露している。これからの活躍がますます楽しみだ。