星飛雄馬の“大リーグボール養成ギプス”だけじゃない!『ガラスの仮面』『アタックNo.1』にも…とんでもない道具で技術を高めた昭和少女漫画のキャストたちの画像
花とゆめCOMICS『ガラスの仮面』第1巻(白泉社)

 野球漫画の金字塔『巨人の星』(原作:梶原一騎さん、作画:川崎のぼるさん)には、たくさんの名シーンがある。なかでも、世間をざわつかせたのが「大リーグボール養成ギプス」だ。これはバネの入ったギプスで、装着して日常生活を送るだけでも強制的に筋肉が鍛えられるというものである。

 実はこのような道具や工夫は『巨人の星』だけではなく、昭和に一世を風靡した少女漫画にも登場していた。今回はそんな“とんでもない道具”を使って技術を高めた、昔の少女漫画の登場人物を紹介しよう。

■全身ギプスはこの漫画にも…!『ガラスの仮面』

 美内すずえさんによる演劇を舞台にした漫画『ガラスの仮面』は、令和になった今でも人気の衰えない不朽の名作だ。演劇をテーマにした青春群像劇でもありながら、本作は「スポ根漫画」と表現されることも多い。その理由は次に紹介するシーンに由来することもあるだろう。

 コミックス第8巻に登場する「石の微笑」で、マヤはセリフも動きもない人形の役を演じることとなる。これまでと違って、“動けない”役に苦戦するマヤ。指導者の月影千草はそんなマヤに対し、あるアイデアを思いつく。

 場面が変わり、マヤや千草のもとに訪れた速水真澄。目の前でふらつくマヤに違和感を感じた真澄はマヤの服をはぎとる。するとそこには、竹竿を用いて作ったギプスで全身を固定されたマヤの姿が……! 竹をカットして縄で結んだだけのギプスなので、マヤの腕は竹によって傷つき出血していた。

 絶対に動いてはいけない人形の役を完璧にこなすため、全身を竹で縛りつけたマヤ。このギプスの成果もあって、マヤの人形役は大成功するのであった。

 今考えるとびっくりしてしまうような指導かもしれないが、しかしこうした演出は『ガラスの仮面』独自の世界観には欠かせない。厳しい指導に耐えながらも、確実にステップアップしていくマヤの姿もまた魅力的だ。『巨人の星』のような根性論が漂う雰囲気も、この作品にはピッタリなのである。

■元祖スポ根少女漫画にも厳しい練習方法が…『アタックNo.1』

『巨人の星』に並ぶ少女漫画を代表するスポ根漫画といえば、浦野千賀子さんによる『アタックNo.1』だろう。昭和40年代に連載された本作は、日本にバレーボールブームを巻き起こしたことでも知られているが、そんな本作にもとんでもない道具を使った練習シーンがある。

 主人公の鮎原こずえは、富士見高校に通うバレー部のエースアタッカー。日本代表メンバーにも選ばれ、今のロシアであるソ連チームと互角に戦うパワーを身につけるため、なんと両腕に鎖を巻いて練習をする。この方法により、自然に腕力が付くというのだ(!?)。こずえは両腕の鎖をジャラジャラ鳴らしながらレシーブを受け、血が出ても練習を続けるのであった。

 そして青葉学園との試合では、パワーのある選手に対抗すべく、バレーボールより重いドッジボールを使った練習をするシーンも登場している。指導者から繰り出される重いドッジボールの威力に、次々に倒れるチームメイト……。しかし、この練習方法により、こずえたちのチームはさらに技術を高めていった。

 両方とも、(とくに令和の時代では)実際の練習に取り入れられることはないだろう。しかし、つらい練習を努力や根性で乗り越える……このような経験を経て、個としてチームとして強く成長していく展開はとてもドラマチックで、ドキドキさせられたものだ。

  1. 1
  2. 2