『ガンダムSEED』シリーズおよそ20年ぶりの新作『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』がついに公開され、放送当時からのファンの間で熱狂を巻き起こしている。
主人公であるキラ・ヤマトは、時に“スーパーコーディネイター”とも呼ばれ、底知れぬポテンシャルをもって数々の激戦を制してきた。今回はそんなキラ・ヤマトが見せた、敵対すれば到底太刀打ちができない“やばすぎる”凶悪操縦シーンをいくつか紹介しよう。
■初めて降り立つ砂漠で見せた驚愕の地形利用技術
『機動戦士ガンダムSEED』第2話「その名はガンダム」にて、ストライクガンダム初回起動時、調整中であった機体のOSを瞬時に書き換えるという神業を見せたキラ。
砂漠に降り立った際は砂に足を取られたことで局地戦向きのバクゥに苦戦を強いられたが、空中に飛び上がってから着地するまでの一瞬で再びOSを書き換え、砂漠への適応を果たした。以降、敵艦から放たれた砲撃の射線上にバクゥを殴り飛ばしたり、大型ビーム砲“アグニ”一発でアークエンジェルへの複数の砲撃を防ぐなど、無双の活躍を見せるのである。
また、別日に“砂漠の虎”率いる複数のバクゥと対峙した際には、突撃してくるバクゥに対して、盾を放って激突させることで隊列を乱した。正面から打ち込まれた砲弾に対しては、その場で宙返りすることで砂の壁を巻き起こし防御かつ敵の視界を奪い、地面を這うように背面飛行して跳躍していたバクゥを撃ち抜くという、相手の思考のはるか先を行く戦術で窮地を切り抜けた。
この戦いで戦死したザフト軍の兵士たちには、とにかく相手が悪かったと思わず同情してしまうほどの操縦シーンである。
■防御している側から放たれる圧倒的なプレッシャー
『SEED DESTINY』第42話「自由と正義と」にて、地球へ降下直後にシン・アスカが駆るデスティニーガンダムと対峙したキラ。以前仕留めたはずのストライクフリーダムガンダムの再来に激昂する。
対艦刀“アロンダイト”を振りかぶるシンに対しキラは、両手に持ったビームライフルを空中に投げ出し両手をクロスさせ、ビームシールドを展開して白刃取りで攻撃を受け止めるのである。その後、腰部に搭載されたレール砲でデスティニーを押し返し、先ほど投げ出したビームライフルをキャッチするという離れ技を見せる。
あえて避けるのではなく真正面から“アロンダイト”を受け止めるというこの行為は、力の差を誇示し、可能な限りシンの士気を削ぐという狙いがあったようにも思える。また白刃取り直後に放たれた、ゼロ距離のレール砲がもしビームであったならば、間違いなく戦闘不能になっていたという事実から、“一度死んだぞ”というキラの意図を感じたシンはさらなる苛立ちを見せた。
結果的にはシンをさらに熱くさせるだけの行動ではあったが、卓越した操縦技術で敵対する者に無言の圧力をかけられるのは、『SEED』作品においてキラ以外にいないだろう。