尾田栄一郎氏の『ONE PIECE』に登場する“麦わらの一味”の狙撃手で、稀代の嘘つきであるウソップは、初登場時から大なり小なり多くの嘘をつき続けてきた。そんな嘘が、読者が忘れたころに現実として描写されていることが発見されて以降、ウソップの嘘が実は伏線として考察され、いつしかその発言から目が離せないものとなった。
今回の記事では、これまでウソップがついた嘘のなかでも未だ伏線が回収されておらず、今後現実として描かれる可能性のあるものをいくつか取り上げ、あくまでも筆者の見解で考察していきたいと思う。
■もはや未来予知? 伏線として回収された嘘の数々
未回収の伏線を考察するにあたって、まずはすでに伏線回収済みの嘘についても簡単に触れておこう。
ウソップ初登場時、「シロップ村」で日課として叫んでいた「海賊が攻めてきたぞーっ!!!」という嘘。これは直後にクロネコ海賊団が攻めてきたことにより現実となる。これは物語上の流れであり伏線とは言えないが、ウソップの嘘が現実となる描写の起源となった。
同じく「シロップ村」で冒険譚としてカヤに話していた、“大陸と間違えて巨大金魚の糞に上陸した”という嘘は、「リトルガーデン」で出会った巨人のドリーとブロギーが、島を食い荒らすほどの巨大金魚・“島食い”の糞に上陸した経験があると話し、ウソップの嘘が現実に起こり得ることとして描かれている。
ほかにもウソップの仮病シリーズの一つ、“おやつを食わねば死んでしまう病”はビッグ・マムが特定の物を食べるまで無差別に暴れまわる発作「食いわずらい」が描写されたことによって伏線として回収されている。
そのほか現実となった嘘は数知れず、こうした事実からウソップの嘘はのちの展開に繋がる重要な伏線であると注目されているのである。
■敵を圧倒する“真実”になる日は近い?「おれには8千人の部下がいる!!!」
ここからは未回収の伏線と思われるウソップの嘘について、今後の展開の考察とともに紹介していこう。
ウソップが強大な敵と対峙し尻込みした時、脅しとして使用される“おれには8千人の部下がいる!!!”という嘘。これについては“麦わらの一味”がドレスローザ編の終盤にて、5千人規模の傘下を得たことから伏線回収に一気に近づいた。残りがどのような形で増えるかだが、今後の物語でさらに3千人の傘下の海賊が増えるというのは少々強引にも思えてしまう。
物語的にアツイ展開を予想するならば、これまでルフィたちが救った国の人々、とくに戦闘に長けている「ワノ国」の侍たちがなんらかの形で救援に加わる可能性は高いのではないだろうか。
もちろん「ワノ国」以外でも、戦闘力のある手練れキャラは数多く登場している。そうしたキャラクターたちが加わることで総勢8千人と共闘するという展開は、大いにあり得るのではないだろうか。