令和の19歳女子大生が初めて見る『機動戦士ガンダム』シリーズ…富野アニメの過酷な主人公への感想とはの画像
『アムロ・レイ×ぴあ』(ぴあMOOK)

 19歳の女子大生である娘に、1979年に放映された『機動戦士ガンダム』を見せたらどんな感想を持つのか?……そんな疑問を持ち、前回、娘と一緒に第5話まで見てみたところ「なんでこうなるの?」と何度も質問されたあげく「ビンタはやめたほうがいい」「男社会が濃くて、いま戦争をしているロシア体制に似ている」といった、Z世代ならではの意見をたくさんもらえた。

 しかし時代を超えて語り継がれる名作『ガンダム』を知るには、もっとたくさんエピソードを視聴する必要があるだろう。そこで今回は、敵側の視点が入るエピソードや、アムロの苦悩が分かる第13話「再会、母よ…」までのエピソードを視聴してもらうことにした。さらに展開が深まるガンダムを見て、19歳のZ世代女子は何を思うのか?

■相変わらずツッコミが多い娘、次回予告に驚きを隠せない

 今回は、第6話から第13話まで視聴したが、相変わらず娘のキャラクターに対するツッコミは多かった。

 ガルマ・ザビが登場するたびに「顔色が悪くて心配になる……」とつぶやき、おてんばな子どもキャラクターのキッカが「怖くないもん!」とつぶやくシーンでは「(となりのトトロの)メイちゃんみたい!」と、嬉しそうにしていた。また、腕を負傷しつつも偉そうにブライトに指示を出し続けるリード中尉に対しては「こういうオジさん、バイト先にもいるよ……」と。

 そして娘がとても興味を示していたのは、やはり恋愛シーンだった。第9話「翔べ! ガンダム」の最後には、美しい上官のマチルダが登場する。見とれているような主人公のアムロ・レイを見て「おお! やっと色恋沙汰だ!」と喜ぶ娘。しかも次回はガルマのフィアンセであるイセリナの登場が予告され、さらに興奮。

 しかし、次回タイトルに「ガルマ散る」と出ると、「え、あの人死んじゃうの!? なんでわざわざネタバレ!?」と、驚いていた。確かに昭和のアニメはガンダムに限らず、次回の予告タイトルで「◯◯死す!」など、ネタバレ予告が多かった気がする……。

■アムロを15歳の弟と重ねる娘

 今回視聴したエピソードの中では、たびたびアムロが情緒不安定になる様子が描かれている。それを見て娘は「彼は15歳だよね? 15歳の男の子って、アニメの世界でもこんなに情緒不安定なんだね……」と言う。

 実は我が家にも15歳、絶賛反抗期中の息子がおり、扱いに困っている。アムロはキッカから笑顔でトマトを受け取ったかと思うと、ブライトには反抗的な態度を取る。その様子を見て「この年代の反抗期は本当に面倒だよね」と、つぶやく娘。

 しかしブライトにビンタを食らって出撃命令をされたり、何回もガンダムに乗るうちに不眠に陥るアムロを見ているうちに、娘は徐々に違う感情を持ちはじめたようだ。

 日本でも太平洋戦争末期には15歳でも戦争に出兵させられたというが、そんなエピソードをあげつつ、「この年齢で兵器に乗せられて人を殺すように命令されたら、精神もおかしくなるよね……」と同情していた。ちなみにこの当時ブライトは19歳だったと告げると「嘘でしょ! 同級生にこんなしっかりした男子いない!」と驚いていた。

 ちなみにアムロだけでなく、ときにブライトも子どもに声をあらげるなど精神的に不安定な様子が見受けられる。そんな中、いつも指示通り的確に動くミライ・ヤシマや、アムロを励ますフラウ・ボゥを見て「いつの時代も実は女性のほうが強いのかもしれないね」と、娘は言っていた。

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