■これぞ定番!?『有閑俱楽部』お嬢様に絡む男を不良イケメンが倒すシーン
一条ゆかり氏による『有閑倶楽部』にも、不良ではないが酔っ払いがヒロインに絡むシーンがある。
“有閑倶楽部”のメンバーであるおしとやかな白鹿野梨子は、男性が苦手で清楚なお嬢様だ。そんな野梨子が酔っ払いの男達に絡まれるシーンがコミック10巻に登場する。
道端で「よお あんたきれいだねえ聞いてくれよお」と急に酔っ払いに抱きつかれる野梨子。野梨子は「なになさるの!はなしてください!!」と抵抗するが、2人の酔っ払いはますます絡んでくる。
そこに登場したのが、喧嘩っ早く素行の悪い青年・刈穂裕也であった。2人の男を倒した裕也だが、自分もケガを負ってしまう。その後心配した野梨子がアパートを訪れ、2人の交流が始まった。
野梨子は日本画の大家を父に、茶道家元を母に持つ超お嬢様。その一方、裕也は喧嘩を繰り返しては仕事をクビになり、万引きなどもするワルだった。対照的な2人は反発しあいながらも互いのことを意識し、恋に落ちていく。思えば昔のドラマや小説などでも、超お嬢様と貧しいちょいワル男が恋に落ちるストーリーは多かった。野梨子が酔っ払いから助けてくれたワルな裕也を意識してしまうのは、もはや必然的だったのだろう。
昔の少女漫画やメロドラマなどでは、今日紹介したようにやたらカップルや女性に不良が絡むシーンが多かった。今そんなことをしたら、すぐスマホで通報されてしまうだろう。
ただし昔の作品では近寄ってくる悪い男がいたからこそ、物語が大きく展開したのも事実だ。いまでは滅多に見かけない不良たちのザコっぷりも、改めて読み直すと面白い。