■相棒もショックで窒息死した「輪切りのソルベ」
最後は第5部より、ソルベの悲惨な死亡シーン。ソルベは、ギャング組織「パッショーネ」の暗殺部隊に所属する男で、ボス・ディアボロに反旗を翻そうとしていた人物。
相棒のジェラートとともにボスの正体をつかみ麻薬ルートを横取りしようとしていたが、ディアボロの逆鱗に触れて返り討ちにされてしまう。何と、つま先から輪切りにされてしまったのだ。
しかも36の部位に輪切りにされたソルベの遺体はホルマリン漬けにされ、ひとつひとつ額縁に収められ、暗殺部隊の元に送られた。それを見た仲間たちは、最初それが何かわからなかったが、全てを繋ぎ合わせることでようやくソルベだということに気付く。『ジョジョ』では残虐でグロいシーンが多いが、「輪切りのソルベ」は同作屈指のトラウマシーンのひとつだろう。
ソルベは生きたまま輪切りにされたようで、ホルマリン漬けにされた顔面は恐怖で歪んでいた。相棒であるジェラートはソルベの殺害現場を目の前で見せられ、猿ぐつわを喉に詰まらせ窒息死をしている。ソルベがどこまで刻まれた段階で絶命したのか、どのような状況だったのか、詳しくは語られない分、それが逆に想像させられてしまうという恐ろしい演出だ。
『ジョジョ』の死亡シーンは、ほとんどが普通に死なせてくれない理不尽なものばかり。それが読者をひきつけるのは間違いなく、どうしても脳裏に焼きついてしまう。