■ファンの中でも意見が二分されるオリヴァー・マイのその後

 3DCGを用いた外伝作品『機動戦士ガンダム MS IGLOO』の主人公オリヴァー・マイは、ジオン公国軍技術本部技術試験課に所属する人物で、さまざまな兵器の開発に関わることとなる。どちらかというと技術者寄りの、外伝としても珍しい主人公である。そのためか、オリヴァー・マイの人気は外伝主人公としては高い。

 そんなオリヴァーは、一年戦争の最終局面で初めて前線での実戦を体験することとなる。『MS IGLOO』のほとんどのエピソードでは、試験中の兵器のパイロットは戦死するが、オリヴァーはア・バオア・クーの激戦の中で生き残ることができた。

 そういった点も含めて、最終回のエピソードは屈指の人気を誇る。一年戦争が終わっても、グリプス戦役やネオ・ジオン戦争といった争いが続く宇宙世紀だが、『MS IGLOO』に登場するような、とんでもない兵器もなくなることはなかった。

 そのため、ファンの間ではオリヴァーがどの兵器にどれだけ関わっているのか、今でも話題に挙がることが多い。その後も彼がいろいろな機体の開発にかかわっていてほしい派と、町工場などで穏やかに過ごしてほしい派で、意見が分かれることも多く、オリヴァーへの思い入れの強さが感じられる。

 最近では『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』で、ノイエ・ジールの開発に関わっている描写がなされた。

 これについても賛否両論ある。『MS IGLOO』に登場する兵器の条件に、ノイエ・ジールはぴったりとハマっている。しかし、争いが嫌いで戦争否定派のオリヴァーが、デラーズ・フリートやアクシズにいることに、何かしらの闇を感じるという人も少なくないだろう。

 3人のいずれも、物語の作中では綺麗に最終回を迎えている。そのため、その後の姿が登場することは無きに等しい。平和に過ごしてほしいという保護欲も含め、その後の動向が気になるという、最終回後が無性に気になるキャラたちである。

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