『俺だけレベルアップな件』に『転スラ』も… 異世界作品に登場する“かわいそうすぎる境遇の主人公”3選の画像
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 異世界作品において王道と言える始まり方は、不幸な人生をおくる主人公が事故か故意か、ひょんなきっかけで生まれ変わるという話。そのため展開上しかたがないことではあるのだが、”作者は主人公に恨みでもあるのだろうか?”と思ってしまうほどの設定がある場合も少なくない。

 今回はそんな不憫な主人公を、筆者の独断と偏見で3人選んで紹介していこう。

■ “人類最弱兵器”の呼び名が悲しい… 『俺だけレベルアップな件』水篠旬

 まず紹介するのは、1月6日からアニメが放送中の『俺だけレベルアップな件』の水篠旬。韓国発の小説・Webコミックを原作とする本作では、ハンターたちがさまざまなモンスターを討伐しダンジョンを攻略する姿が描かれる。

 旬は高卒で働き始め、行方不明になった父に代わって母と妹を養う苦労人だ。しかも母は不治の病と診断されており、治療費や入院費もバカにならない。だからこそ彼は、常に命の危機にさらされる仕事であるハンターをしているのだ。

 ハンターのおもな仕事は、異次元と現世界をつなぐ“ゲート”にあるダンジョンへと赴き、そこに生息するモンスターを倒すことである。

 モンスターはどんなに弱くても、街中に出てしまえば大きな被害を出しかねない存在。その対処はハンターと呼ばれる特別な人間にしかできないのだが、旬もそのうちの一人だ。ただ、他のハンターからは“人類最弱兵器”と呼ばれるほど貧弱な能力しかない。それでも大切な家族のため、仕事をやめることはできないのだ。

 旬は他のハンターなら軽々と倒せるモンスターが相手でも、すぐに傷だらけでボロボロになってしまう。そんな姿を見ていると、「タイトルが嘘じゃないなら早くレベルアップを!」と思わずにはいられない。物語が開始して早々ボロボロになっていた彼だが、その後の展開はいかに……?

■次々と襲い来る不幸! 『ホームレス転生 〜異世界で自由すぎる自給自足生活〜』田中真一

 続いては『ホームレス転生 〜異世界で自由すぎる自給自足生活〜』の田中真一。彼はもともと、愛する妻に可愛い息子と絵に描いたような幸せな生活を送っていたが、ある日その二人が事故で亡くなってしまう。これが彼の人生の転落の始まり。大切なものを失った怒りや悲しみ、喪失感に耐えられなかった真一は、思い出いっぱいの家も捨ててタイトル通りのホームレスになるのだ。

 これだけでもかなり気の毒な人生といえる。しかし、彼の不幸はこれだけではない。なんとある日、横断歩道を渡っている最中に突然雷に打たれるのだ! そんなアクシデントに見舞われるなんて、一体どんな確率だとちょっと呆然としてしまう。妻子を失い、家も仕事も失い、最後には命まで落としてしまった。さすがにちょっと手加減してあげてと言いたくなる境遇である。

 だが彼の不幸はまだ終わらない。雷に撃たれたあとに気がつくと、何と素っ裸で見知らぬ場所にいるのだ。そこには人の気配もなく、出口どころか窓もない。転生系につきものの神の説明もない。せめて服は着せてあげて!と思ったのは筆者だけではないはずだ……。

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