『富江』菅野美穂に『まだらの少女』成海璃子も…若き日の女優たちが出演した「マジ怖ホラー映画」の画像
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 奇怪な世界や人間の闇を描き、観る者を恐怖のどん底に突き落とす“ホラー映画”。昨今では漫画作品を原作としたホラー映画も多数登場しているが、なかには若かりし頃の大女優たちが出演した、非常にレアな作品も存在している。女優たちが体当たりで“怪異”を演じた、ホラー映画作品たちについて見ていこう。

■絶対に死なない美しき“怪物”…『富江』菅野美穂

 漫画家・伊藤潤二さんといえば、繊細かつ緻密なタッチで怪異を描くホラー漫画界の巨匠である。数々の代表作を持つ伊藤さんだが、なかでもデビュー作の『富江』は、その高い人気から、1999年に実写映画化されている。

 本作のタイトルにもなっている富江は、長い黒髪と不敵なまなざしが特徴な美少女なのだが、一方で非常に傲慢かつ尊大な性格という強烈なギャップを持ったキャラクターだ。

 しかも彼女はどれだけバラバラに肉体を切り刻まれても再生、増殖する正真正銘の“怪物”で、作中では彼女の美貌に憑りつかれた人々が、次々に道を踏み外し狂わされていく。

 人智を超えた怪異なる存在でありながら、普段は男を魅了する美少女として立ち振る舞うその独特のキャラクター性から、伊藤さんの作品に登場する“怪異”のなかでも、とくに人気の高い存在でもある。

 そんな富江を実写版で演じたのは、“ホラー”とは少し異なったイメージを持つ、若き日の菅野美穂さんだ。

 タレントとしても広く活動している菅野さんだが、普段の明るい立ち振る舞いから一変、映画では終始妖しく、どこか無機質な演技で視聴者に不安と恐怖を与えている。原作よりも少し年齢的に幼い印象を抱く実写版・富江だが、菅野さんの容姿と演技力によって男たちを惑わし見下す、より“小悪魔”的なキャラクターとして活躍していた。

 終始身に纏った不気味な雰囲気はもちろん、劇中では“害虫”を指で掴むシーンもあり、菅野さんの体当たりな演技が光る一作となっている。普段、テレビで見せている輝かしい笑顔ではなく、冷徹かつ邪悪な微笑でこちらを見つめる菅野さんの姿は必見だ。

■幼き少女に潜む、おぞましい“陰”…『まだらの少女』成海璃子

 ホラー漫画界の巨匠……といえば、やはり楳図かずおさんも外すことはできない。

 唯一無二の作風から数々の作家、アーティストたちに影響を与えた漫画家だが、その人気の高さゆえに実写映画化された作品も非常に多い。

 2005年には活動開始50周年を記念し、『楳図かずお恐怖劇場』なるオムニバスのホラー作品が上映されているのだが、作中のエピソードの一つである『まだらの少女』にて、意外な大物女優が主演を務めている。

 その女優とは、いまや大河ドラマにも出演し、ファッションモデルとしても幅広く活躍している成海璃子さんだ。

 2000年に放送されたドラマ『TRICK』にて子役としてドラマデビューを果たした成海さんだが、なんと12歳のときに『まだらの少女』に出演し、作中でも重要人物となる山川京子役を演じている。

 成海さんの演じた山川京子はもう一人の主人公・中村弓子に寄り添う優しい少女だが、物語後編ではその立ち位置が一変し、“怪異”となって彼女を襲う黒幕ともいえる人物だ。

 まだ幼い成海さんにとってはなかなか難しいテーマの配役であったが、キャラクターの持つ“陰”と“陽”を見事に表現しており、当時、子役でありながらもその演技力は素晴らしく、とくに本性を現してからの強烈な目力は観る者を圧倒してしまう。

 のどかでありながらどこか陰鬱な田舎の空気感や、作中を通して重要なキーワードとなる存在・“蛇”の禍々しい姿など、徐々に狂っていく閉鎖的社会の恐怖を存分に描いた一作だ。

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