■無実の罪で投獄されたサイモンが悲壮感漂わせる「ガイアのつるぎ」
オリビアの岬を超えてたどり着いた“ほこらの牢獄”には、サマンオサの勇者・サイモンが獄死して、”たましい”となって勇者一行を待ち受けている。サマンオサ王はボストロールが化けてなりすましていたため、邪魔になったサイモンを流刑地に追放したのだろう。
ここではクリアに必須な「ガイアのつるぎ」が手に入る。そういえば、この武器を手にしていたということは、サイモンもバラモス打倒を目指していたのだろう。オルテガと名コンビになったかもしれない。
あれ? そういえばサイモンはなぜ獄死していたのだろうか。思えば、このほこらには生存者がおらず、みんな白骨化かたましい化している。おそらく、門番もここで死んだのだろう。サマンオサの国はここから遥か南東にある。旅の扉を経由して来るのだろうが、そうなるとオリビアの岬を通過しなくてはならない。
しかし、オリビアの呪いが発生してからは船が通過できなくなっている。そうなると、この牢獄には交替の者や食料などを支給している船も来られないはずだ。ゆえに、みんな餓死ってことに……? オリビアとエリックの悲恋は、このほこらの牢獄にも影響を及ぼしていたのかもしれない。サイモンが可哀想過ぎるぞ。
■テドンの牢屋で託す相手を待ち続ける「グリーンオーブ」
魔王軍の本拠地に近いことから、すでに廃墟と化しているテドンの村。「さいごのかぎ」を持っていると、グリーンオーブを手に入れることができる。このグリーンオーブを託してくれるのは牢屋に入っている囚人の男なのだが、なぜか夜にしかもらえない。
村はすでに滅んでおり、夜になると人々が亡霊となって彷徨っているのだが、なぜかお店も利用できるから驚きだ。死んでもなお成仏できないのか、宿屋に泊っても翌朝には誰もいないという恐怖……。
それにしても、このグリーンオーブを託してくれる人っていったい誰なのだろう。魔王軍に村が滅ぼされても隠し続けたほどだから、よっぽど凄い人なのかもしれない。おそらく牢屋に隠れてやり過ごそうとしたのだろうが、見つかってしまい、なんとかグリーンオーブだけは守ったのだろう。
深く考えると、なんだか切ない気持ちになってしまうものだ。
さて、『ドラクエ3』にはこれらのように哀しい設定が多く見られる。ジパングで「やまたのおろち」の生贄になった人たちも可哀想だった。平穏な時代だったらよかったのに……いろいろと考えさせられるアイテムたちだった。