■ところが意外な人物からウケた…あーみん作品の魅力

 ただし『こいつら100%伝説』も、爆笑まではいかなかったあやちゃん。令和の子どもには響かなかったか……と残念に思っていたところ、後日あやちゃんのママから意外な報告をもらう。それはあやちゃんの2個上のお兄ちゃんが、あーみんさんの作品を見て爆笑していたというのだ。
『お父さんは心配症』を何気なく手に取り、読み進めた中学生のお兄ちゃん。「面白いじゃん」と言ったあと、そのまま笑いながら一気読みしたそうだ。

 あとで理由を聞いてみると「昔読んでいた『コロコロコミック』(小学館)のギャグ漫画に似ていたから」とのこと。確かにお兄ちゃんが当時読んでいた『コロコロ』には、ちょっと下品で過激なギャグ漫画が掲載されていた。もしかしたら男の子のほうが『コロコロ』などを通して漫画を読んだ経験が多く、生粋のギャグ漫画に触れる機会も多かったのかもしれない。

 あーみんさんの作品は、どちらかといえば少女漫画より少年漫画誌のギャグ漫画に通じるものがあるように思う。その面白さに理解ある少年の方が、受け入れてくれた結果となった。

 

 このように、昭和の少女たちの爆笑をさらったあーみんさんの漫画は、令和の子どもたちすべてに必ず爆笑が起きるわけではなかった。これはあーみんさんの作品だからではなく、やはり生きている時代背景が違う要因が大きいだろう。

 さらに今の子どもたちは漫画を読む習慣が減っている。そのため、とくに絵が独特でセリフの多いあーみんさんの作品は、令和っ子にとっては読むこと自体が難しいのである。

 ただし、あーみんさんの作品も縦読みスマホ対応にしたら、もう少し若い世代にも受け入れられるかもしれない。ただし過激な内容であるがゆえ「作品の時代背景や原作者の意図を尊重しオリジナルのまま掲載しています」といった注意書きは必至だろう……。

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