1月6日アニメ『キングダム』第5シリーズいよいよ解禁! 数千人の心を一つに...読者の心も震わせた“武将たちの名言”の画像
(c)原泰久/集英社・キングダム製作委員会

 紀元前の中国を舞台に、戦国七雄の一国・秦が中華統一を目指す物語『キングダム』(原泰久氏)。今年1月6日からはアニメの第5期がスタート、さらに7月には好評の実写映画の第4作目『キングダム 大将軍の帰還』が公開されるなど、熱が冷めることのない大人気作品である。

 大軍同士が命の奪い合いをするうえで軍全体の士気を保ち続けるのは至難の業であり、兵士たちの心が折れそうになってしまう描写もしばしば見られる。そのたびに軍を率いるキャラクターたちが熱き言葉を投げかけ闘志を再燃させるシーンは、『キングダム』の見どころの一つであると言っても過言ではないだろう。

 今回は、苦境を乗り越えるために兵士に投げかけられた心震わせる名言を、一部紹介したいと思う。

 

※以下には、漫画・アニメ『キングダム』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。

 

■時に支え、時にしがみつく隊長の背中「信」

 中華統一に向けて本格的な侵略戦争を始める秦。

 主人公・信が率いる飛信隊はその第一歩として趙国を攻めるため、桓騎軍に加わり黒羊丘の攻略に挑むこととなる。複雑な地形に翻弄され続け思うような成果を出せずにいた飛信隊だったが、思わぬ形で秦・趙両軍の意識から完全に消えた立場に置かれ、趙軍総大将・慶舎(けいしゃ)を直接奇襲する作戦に出るのである。

 敵の意表は突いたものの、たび重なる苦境に晒されたため兵士個人の余力はほとんど残っておらず、慶舎を目前にしても攻めあぐねてしまう。飛信隊の力不足を淡々と語る慶舎に対し信は、大将軍・王騎が先頭を走る時の兵士が鬼人の如き力を発揮することを語り、背後で苦しむ兵士たちに向かって「苦しいんなら俺の背を見て戦え 俺の背だけを見て追いかけて来い!!」と、檄を飛ばすのだ。

 この信の檄を受けた兵士たちは再びまっすぐに前を向き、のちに信の大きな武功に繋がる鬼人の如き士気の爆発を見せるのであった。

 筆者はもちろんこの戦に参戦もしていなければ、飛信隊にも所属していない。しかしこのシーンを見るたび、なにか“やる気スイッチ”が押されたような独特の感覚に見舞われる。そんなイチ読者の胸も熱くする、主人公らしい心震わす名言であると言えるだろう。

■槍のようにまっすぐな言葉で促した玉鳳隊の“覚醒”「王賁」

 趙国難攻不落の城・鄴を落とすべく、朱海平原での死闘を繰り広げる秦連合軍。王翦軍の第一将・亜光が戦闘不能となったうえ、兵糧が間もなく尽きようという極限の状況により、飛信隊と玉鳳隊の兵士たちの疲労は限界に達しようとしていた。

 王翦からの支援が期待できないなか、開戦から十一日目の夜に信を呼び出した王賁は、この苦境を打破するためには飛信隊と玉鳳隊、それぞれの“覚醒”が必要だと話す。具体的な方法はないとしながら、各隊の自力を翌日の開戦前に底上げするほかに勝ち目はないと言うのだ。

 だが、信と王賁、互いに何も浮かばないまま迎えた十二日目。戦場へ向かう途中、負傷している兵に王賁が声をかけると、“負傷しているなりに戦い方がある”と彼らは笑顔を見せる。そんな兵士たちの「玉鳳隊」としての誇りに胸を動かされる王賁。

 信とほぼ同じタイミングで、玉鳳隊に静かに話し始める王賁。苦境を何度も自力で乗り越えてきた過去、王賁の初陣からその命も槍も常に玉鳳隊とともにあったことを誇りに思っていること、そして、過去最高に苦しい戦いになるが玉鳳隊の力で必ず勝たなければならない、と語りかけた。

 そして王賁は「友よ 力を貸してくれ」と、まっすぐな眼差しで言う。その言葉に兵士たちは涙し、王賁を秦国一の大将軍にするため一丸となって敵を叩き潰すことを誓うのである。

 己に厳しく愚直に武を磨き続ける王賁には信とは違ったかっこよさがあり、その魅力に何度も惹きつけられてきた。あまり見ることのない感情の籠ったその素直な言葉に、兵士同様ファンとして“覚醒”した読者も多かったのではないだろうか。

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