■コミカルで笑いを誘うのも最高! 『プロジェクトA』の自転車アクションと『アクシデンタル・スパイ』の逃走シーン
ジャッキー映画といえば、アクションシーンの中にもきっちりと笑いを誘うコミカルさがあるのがたまらない。
たとえば『プロジェクトA』での、自転車のバトルシーン。狭い路地を自転車で軽快に走るドラゴンが前方から迫ってくる敵に対し、ブレーキをかけて両壁に脚を着けて、自転車を持ち上げやっつける。
ところが振り返った拍子にサドルが外れてしまい、勢いよく座ろうとしたドラゴンのお尻に思いっきりパイプが刺さってしまうのだ。想像するだけで痛い……。チョンチョン飛びながら口を尖らせ悶絶する様子に、次女も大爆笑だった。
また『アクシデンタル・スパイ』では、イスタンブールの銭湯でくつろいでいる主人公のバック(ジャッキー)のもとへマフィアが乗り込んでくる。腰から下にバスタオル一枚巻いた恰好で立ち向かい、その後、屋上にあったパラソルを3つ開いて飛び降りる。着地するときも裸足だからとんでもない。
極めつけは、その後の市場でのバトルシーン。乗り越えた柵にバスタオルが引っかかって外れてしまい、店の売り物でなんとか前と後ろをガードするも、追っ手と戦うたびにそれを振り回すもんだから、周囲からはすべてがモロ見え……。女性陣が目を背けるのも納得だ。
ここからは“前と後ろを隠しながら”の戦闘が始まる。蹴られた拍子に香辛料のザルにズボッとはまってしまい、お尻がちょうど半分ずつ黄色と緑色のカラーで染まってしまったり、売り物のほうきでガードするもこれが連なっているので店主に引っ張られてまたも丸見えになったり。
さらにお盆を前と後ろに2枚あててガードしつつも、高速で攻撃を繰り出していく。見事にちゃんと隠れているのがすごい。アキラ100%さんも顔負けだ。
その後も布、新聞紙……といろんな素材を駆使して隠しまくり、最後はタンバリンを前後ろにあてシャンシャン鳴らしながらガニ股早歩きで逃げていくのだが、通りに出たところで女性たちに遭遇。このときだけゆっくりと神妙そうな顔をして切り抜けようとするのが、妙にウケる。
テンポ感がとても良く、次々と笑いどころがあるものだから、もう息ができないくらい次女は大笑いだった。
ジャッキー映画を観た次女の感想は「最高!」だったようで、興奮と爆笑の連続だった。令和の小学生にもジャッキー映画はバッチリ刺さるようだ。かつてはジャッキー映画を見るたび、ジャッキー・チェンになりたいと思ったものだったな。
それにしても『アクシデンタル・スパイ』の時、ジャッキーは40代後半。今の筆者と同じ年くらいだが、あんな世界的大スターが“一糸まとわぬ姿”で笑いを取りに動き回るなんて尊敬しかないな。