『Gガンダム』ドモンや『マクロス7』バサラなど… 2024年で30周年! 1994年「ロボアニメ」の“熱血主人公”たちの暑苦しい魅力の画像
『機動武闘伝Gガンダム』DVD第10巻 (C)創通・サンライズ

 1994年、この年の日本は各地で観測史上最高気温を更新するなど記録的猛暑だった。また偶然にもアニメの世界では、暑苦しい熱血主人公が活躍する「ロボアニメ」の当たり年であり、1994年は非常に“アツい”年となった。

 そこで今回は、今年2024年で30周年!1994年「ロボアニメ」の熱血主人公たちと、その暑苦しい魅力を紹介する。彼らの暑苦しさよ、令和の時代にも響け!

■ネオジャパン代表ガンダムファイター『機動武闘伝Gガンダム』ドモン・カッシュ

 はじめに『機動武闘伝Gガンダム』主人公であるドモン・カッシュを紹介しよう。

『機動武闘伝Gガンダム』は、ガンダムシリーズの中でも異色の作品である。基本的にガンダムは、戦争をテーマにしたシリアスなストーリーのものが多い。一方本作は、“ガンダムファイト”と呼ばれるガンダム同士による武闘大会を舞台とし、放送当時流行っていた格闘技ゲームのような設定と少年漫画のような熱い展開になっている。そして、本作で“ネオジャパン”代表のガンダムファイターとして活躍したのが熱血主人公ドモン・カッシュだ。

 本作はドモンをはじめ、キャラクターデザインに『逆境ナイン』や『アオイホノオ』で知られる漫画家の島本和彦氏が関わっており、(いい意味で)見た目から暑苦しさが伝わってくる。

 普段はぶっきらぼうでどちらかと言えば寡黙なドモンだが、ガンダムファイトになるとその暑苦しい本性を見せていた。ガンダムファイターとガンダムの動きが連動する本作は、ドモン自身もコックピットで激しく動き叫びながら戦う。そしてフィニッシュには、「俺のこの手が光って唸る!お前を倒せと輝き叫ぶ!必殺!シャイニングフィンガー!」といった決め台詞とともに、輝く右手で相手の頭部を握りつぶすのだ。当時小学生だった筆者も、この技を友達相手によくやっていたのを思い出す。

 ちなみに、制作サイドはドモン・カッシュで少しやり過ぎたと反省したのかもしれない。次作の『新機動戦記ガンダムW』では、ヒイロ・ユイというシリーズの中でも屈指の無口な少年が主人公となっている。

■俺の歌を聞け!『マクロス7』熱気バサラ

 続いては『マクロス7』の主人公・熱気バサラを取り上げる。

 1982年から放送されたマクロス1作目『超時空要塞マクロス』の設定を継承し、11年ぶりに制作されたテレビシリーズである『マクロス7』。並行して作られたOVA『マクロスプラス』は実写的な作りだが、それとは対照的に本作はキャラクター性を押し出した“明るいマクロス”となっている。

 主人公である熱気バサラは、逆立てた茶髪と、青いレンズの丸縁サングラスをかけたロックンロールな姿が特徴である。その見た目通り、歌にすべてを懸けるロックボーカリストで、愛機VF-19改(通称ファイヤーバルキリー)に乗り、戦場では戦うことなく「俺の歌を聞け!」と情熱的に歌い続けていた。当たり前だがその行為は当初まったく理解されず、戦場の兵士からは反感を買う。

 しかしバサラの歌は、敵兵士の洗脳を解いたり、敵生命体“プロトデビルン”を追い払ったりといったビックリするような効果を持っており、戦局を変えるような重要な役割を果たす。彼はその熱い歌声で本当に世界を変えてしまったのである。

 争いごとを嫌い、歌を何より愛し、「戦争なんかくだらねぇぜ」が口癖のバサラ。暴力ではなく歌で皆とわかり合おうとする彼のスタンスには、思わず胸が熱くなってしまう。

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