■“宇宙”や“UFO”という当時の流行を取り入れた内容
『グレンダイザー』の中身についても少し紹介しておこう。
本作の主人公・宇門大介ことデュークフリードはベガ星雲・フリード星の王子で、恐星大王ベガ率いるベガ星連合軍により故郷を失い、地球まで逃れて身を隠していた。しかし、そのベガ星連合軍が地球にも侵攻を始める。デュークフリードは第二の故郷・地球を守るべく立ち上がり、『マジンガーZ』の主人公・兜甲児らダイザーチームとともに力を合わせ戦うことに。
主人公機であるグレンダイザーは、フリード星の科学力を結集して作られたロボットで、専用サポートユニットのスペイザーと合体することでUFOになって飛行ができる。これは当時の日本が空前の“UFOブーム”だったことを受けたものだろう。テレビでは毎週のようにUFO特番が放送され、映画『未知との遭遇』も公開された。当時の子どもたちは“宇宙”や“UFO”に夢中だったのだ。ちなみに1976年には『日清焼そばU.F.O.』が発売され、1977年にはピンク・レディーの曲『UFO』もヒットしている。
このように“ロボット”に“宇宙”や“UFO”など、当時の子どもたちが興味津々の要素が盛り込まれていたのも、本作のおもしろい点だ。
今回は、令和の時代に再びブームが再燃している『グレンダイザー』について紹介してきた。“宇宙”や“UFO”など当時の流行を敏感に取り入れたロボットアニメで日本の子どもたちを魅了した本作。海外での人気が非常に高かったことも驚きだったのではないだろうか。
今回紹介しきれなかったが、本作は愛や家族、環境問題などについても語られている素晴らしい作品だ。もし見ていない人がいれば、この令和の時代だからこそぜひ一度見て欲しい。来年放送される新作アニメ『グレンダイザーU』も非常に楽しみだ。