■主人公の最強技にふさわしい威容! 『金色のガッシュ!!』ガッシュ・ベル

 100組の人間と魔物の子のペアが魔界の王をめざす熱血バトルロイヤル『金色のガッシュ!!』(雷句誠氏)の主人公、ガッシュ・ベル。彼の最強呪文「バオウ・ザケルガ」は、巨大な龍の形をした電撃を召喚して敵を攻撃するものだ。

「バオオオオオオオ!!」という唸り声をあげながら敵に突進する様はまさに圧巻。ここぞの場面で使われる切り札だからか、原作ではほとんど見開きで描かれている。雷句氏の高い画力も相まって、迫力は随一だ。主人公の最強技にふさわしい格を持った技といえよう。

 一方で、技が完成しきる前は通用しないことも多かった。新しい敵の強さをわかりやすく示すためか「バオウ・ザケルガ」が破られる展開もあり、「ファウード編」で真価を発揮するまでは使い勝手がイマイチな大技だったようにも思う。

■"龍”の名を冠する法則を持つ「飛天御剣流」…『るろうに剣心』緋村剣心

 テレビアニメ第1期が最終回を迎え、第2期「京都動乱」の制作が発表された『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(和月伸宏氏)。主人公・緋村剣心が振るう最強の剣術「飛天御剣流」の技にはどれも"龍"の名前がついている。

 上空から強襲する「龍槌閃」や、9つの斬撃を同時に行う絶技「九頭龍閃」など、振り返ってみればその通りだ。

 とくに超神速の抜刀術を放つ奥義「天翔龍閃」はその筆頭といえるだろう。1撃目で作り出した真空状態で敵を吸い寄せ2撃目を叩き込む"隙を生じぬ二段構え”は、作中で「龍の牙をかわしたところで爪によって引き裂かれる」と、たとえられている。

 先に紹介した飛影やガッシュのように龍そのものが出るわけではないが、その性質は紛れもなく龍というわけだ。

「京都動乱」では龍の牙と爪こと「天翔龍閃」をどう表現し、視聴者を楽しませてくれるのか。2024年の放送が今から待ち遠しくて仕方ない。

 

 ドラゴンモチーフの技を駆使するキャラを見てきたが、今回紹介できなかったキャラもまだまだたくさんいる。

聖闘士星矢』(車田正美氏)の龍星座の紫龍、『ドラゴンボール』(鳥山明氏)の孫悟空が見せる「龍拳」など、挙げていけばキリがないだろう。それほど龍は日本人になじみ深い"強さ"の象徴なのだ。

 12年に1度の辰年となる2024年。これを機に、ドラゴンの力を使うキャラの活躍を読み返してみるのもいいかもしれない。

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